秋のG1シリーズ開幕戦となるスプリンターズステークス。
スピード王を決めるこのスプリンターズステークスは,過去のデータが比較的はっきりと結果とリンクすることで知られています。
今回は,近10年のスプリンターズステークスをデータ分析し,2022年のスプリンターズステークスに役立ちそうなデータをご紹介します。
1:データ分析から見たスプリンターズステークスにおける3つのポイント
2012年から2021年まで,近10年のスプリンターズステークスをデータ分析した結果,得られた内容となっています。
前走に関するデータに特徴が見られるので,注目してみましょう。
ポイント①:前走・セントウルステークス組が強い
まずは,前走のレース別成績です。
馬券圏内に入ったケースのみを紹介します。
セントウルステークス | 6・5・2・43 |
安田記念 | 2・1・0・6 |
キーンランドカップ | 1・0・5・37 |
CBC賞 | 1・0・0・2 |
北九州記念 | 0・1・1・16 |
ヴィクトリアマイル | 0・1・0・1 |
函館スプリントステークス | 0・1・0・6 |
高松宮記念 | 0・1・0・0 |
朱鷺ステークス | 0・0・1・2 |
パラダイスステークス | 0・0・1・0 |
近10年で6頭がセントウルステークスをステップにして,スプリンターズステークスを勝利しています。
CBC賞組やキーンランドカップ組からも勝ち馬が出ていますが,王道となる路線はセントウルステークス組です。
前走が安田記念で休養明けだった,という馬も2勝しています。
2017年の勝ち馬レッドファルクス(安田記念3着)や,2020年優勝馬のグランアレグリア(安田記念1着)がこうしたケースに該当します。
G1レースであるが故に,地力も重要なファクターとなっていることがこのデータからもわかります。
ポイント②:前走で連対している馬が望ましい
続いて,前走における着順別成績です。
前走1着 | 4・3・3・23 |
前走2着 | 3・2・1・19 |
前走3着 | 1・0・1・13 |
前走4着 | 1・2・1・6 |
前走5着 | 0・0・2・10 |
前走6~9着 | 1・0・2・33 |
前走10着以下 | 0・3・0・23 |
近10年の優勝馬は,7頭が前走でも連対していました。
新潟競馬場で行われた2014年に,前走のキーンランドカップで8着に敗れていたスノードラゴンが巻き返して勝利していますが,基本的には前走に時点である程度は仕上がっていることが,スプリンターズステークス好走の条件と言えそうです。
ポイント③:乗り替わりはマイナス
続いて,前走から騎手の乗り替わりが結果にどのように影響するのか,チェックしてみたいと思います。
前走と同じ騎手が騎乗した馬 | 9・8・3・68 |
前走から騎手が乗り替わりになっている馬 | 1・2・7・63 |
スプリンターズステークスは,凱旋門賞と日程が重なることが多く,リーディング上位の騎手がフランス遠征中で不在,というケースがよく見られるレースでもあります。
2020年にグランアレグリアが池添謙一騎手からクリストフ・ルメール騎手への乗り替わりで勝利していますが、前走から騎手が乗り替わりとなった馬が勝利したのはこの一例のみで、残る9頭は前走も同じ騎手が騎乗していました。
スプリンターズステークスにおいて、乗り替わりは大きなマイナス材料と言わざるを得ません。
2:スプリンターズステークス2022でデータから浮上する馬
次に、ステップレースの結果や各メディアの報道により、2022年スプリンターズステークスに出走すると見られている馬たちの中から、上記のデータ分析を元に有力となる馬を紹介しましょう。
2-1:メイケイエールが最有力
出走が見込まれている馬の中で、減点すべき材料が全くない馬はメイケイエールと言えそうです。
セントウルステークスを勝利し、池添謙一騎手が引き続き手綱を取ると見られています。
デビュー当初から気性難が指摘され、まだG1タイトルがないメイケイエールだけに、不安材料も大きい牝馬ですが、軽視はできない馬と言えそうです。
恐らく、単勝オッズ1番人気になると思われます。
2-2:シュネルマイスターをどう評価すべきか?
2021年のNHKマイルカップを優勝したシュネルマイスターが参戦する、という報道が一部メディアから出ています。
前走は安田記念で2着だった、という点では、近10年のデータからも消すべき理由はありません。
しかし、札幌での新馬戦で経験した1500mよりも短い距離のレースを経験していません。
1200m戦でのスピードに戸惑う可能性は十分にあります。
現時点では、まだ鞍上についての発表がありません。
安田記念では、クリストフ・ルメール騎手が騎乗していましたが、今回は鞍上が誰になるのか、非常に気になるところです。
3:データ分析から見たスプリンターズステークス2022の有力馬
上記の通り、最有力馬はメイケイエールです。
但し、気性難が気になる、という方も穴党ファンを中心に多いと予測されます。
シュネルマイスターが持つ未知の魅力に賭けるという手もありますが、リスクが大きい点は否めません。
こうした悩みをお持ちの方にオススメしたい馬がいます。
ウインマーベルという馬です。
前走はキーンランドカップに出走し、2着に入りました。
キーンランドカップ組は前述したスノードラゴンという前例があります。
スノードラゴンは8着からの巻き返しでしたが、ウインマーベルは2着でしたので、より高い可能性を求めることもできそうです。
当時の鞍上だった松山弘平騎手がスプリンターズステークスでも手綱を取る予定となっている点も心強いと言っていいでしょう。
さらに注目したいのは、ウインマーベルがまだ3歳馬であるという点です。
5月に葵ステークスを勝利しており、1200m戦では既に世代最強と言っていいでしょう。
若駒であるが故の成長力を考えると、非常に魅力的な存在です。
メイケイエールやシュネルマイスターに疑問符を付けたい方には、ウインマーベルという3歳馬をオススメします。
スプリンターズステークスのデータ分析まとめ
近10年のデータからは、人気になると思われるメイケイエールに死角は見当たりません。
臨戦過程も、騎手の乗り替わりがない点も、全く問題ありません。
しかし、メイケイエールには気性難という、データから浮かび上がることがない課題を抱えています。
馬券戦術上、この課題をどう考えるのか、あるいはこの課題をどう利用して高配当を手にするのか、が2022年スプリンターズステークスにおける大きな課題と言えるでしょう。
上記でウインマーベルという3歳馬について取り上げました。
まだ成長力が見込める3歳馬は、現時点では波乱の主役となり得るという意味では非常に魅力的な存在です。
成長力に期待ができる3歳馬という点では、CBC賞優勝馬テイエムスパーダという3歳牝馬もスプリンターズステークスに参戦予定となっています。
前走の北九州記念で8着に敗れており、前述したデータ上からは勝ち負けが難しい存在ですが、成長力というファクターはどんなにデータ分析を積み上げても導き出すのが難しいものでもあります。
人気や前評判は、メイケイエールやシュネルマイスターなどになりそうですが、ウインマーベルやテイエムスパーダといった3歳馬の成長力に期待するのも、穴党ファンならひとつの馬券戦術になると考えられます。
スプリンターズステークスは、凱旋門賞当日でもあります。
上記のデータ分析等を参考に、凱旋門賞の軍資金を稼ぎましょう!!