秋競馬は土曜日に行われるレースも見逃せません。
毎週のように日曜日に組まれているG1レースの前哨戦が土曜日に組まれているケースが多いのです。
2022年も10月22日(土)に組まれている富士ステークスもそのひとつです。
マイルチャンピオンシップの重要な前哨戦として定着しており、2020年からはG2に昇格しました。
今回はその富士ステークスについてデータを分析し、高配当的中を狙いたいと思います。
見逃すことができないデータばかりです。
是非ともご覧くださいませ。
1:富士ステークスにおけるデータ分析の3つのポイント
それでは、G3時代を含む近10年の富士ステークスのデータから気になるものをご紹介します。
ポイント①:高齢馬は不利
まずは年齢別成績です。
3歳 | 4・2・2・31 |
4歳 | 4・3・2・17 |
5歳 | 2・4・6・30 |
6歳 | 0・1・0・31 |
7歳以上 | 0・0・0・17 |
近10年の勝ち馬10頭中8頭が3〜4歳馬です。
6歳馬は2着が1回あるだけで、7歳以上の馬は馬券圏内に入っていません。
高齢馬には圧倒的に不利なレースと言えそうです。
ポイント②:逃げ馬も不利
続いて、近10年の脚質別成績です。
逃げ | 0・0・0・10 |
先行 | 4・2・3・30 |
差し | 5・4・3・50 |
追い込み | 1・4・4・36 |
近10年で逃げ馬は全く馬券に絡むことができていません。
東京競馬場の長い直線を活かした、差し・追い込み馬の活躍が目立っています。
決め手比べのレースというべきでしょう
ポイント③:前走から距離が延長となっている馬は消し
続いて、前走との距離比較に関するデータです。
前走から距離が延長されている馬 | 0・0・1・9 |
前走と同距離の馬 | 7・6・6・75 |
前走から距離が短縮されている馬 | 3・4・3・41 |
前走がマイル戦よりも短い距離だった馬は、近10年では3着に1頭入った馬がいるだけで、他は馬券圏内に入っていません。
距離延長となる馬は不利と考えていいでしょう。
2:富士ステークス2022のデータ予想
上記のデータ分析から更に踏み込んで、2022年の富士ステークスを予想する上で押さえておくべきポイントをご紹介しましょう。
近10年の中でも、更に最近は傾向が変わりつつあります。
以下のデータにも注意が必要です。
2-1:前走G1組に要注意
2019年優勝馬ノームコアは、ヴィクトリアマイル(1着)以来のレースでした。
2020年の勝ち馬ヴァンドギャルドは、安田記念(10着)以来となる休養明けのレースでした。
2021年の富士ステークスを勝ったソングラインの前走は関屋記念(3着)でしたので、前走G1組を絶対視すべきではありませんが、休養明けで、マイルチャンピオンシップ前のひと叩きであることが明らかだったとしても、軽視すべきではありません。
ノームコアは牝馬ながら56kgを背負っての参戦でした。
G1実績から斤量を背負わされている場合でも、マイナス材料とは言えないようです。
2-2:前走から斤量が減っている馬にも警戒したい
斤量の話が出たので、前走からの斤量比較もしておきましょう。
前走から斤量減 | 5・1・5・53 |
前走と同斤量 | 2・7・3・46 |
前走から斤量増 | 3・2・2・27 |
前走から斤量増の馬でも勝利している馬もいます。
別定戦ですので、斤量は実力の証でもありますから、前走から斤量が増えている馬でも、それだけでは「消し」とは言い難いデータではあります。
G1馬が出走する際は、斤量を背負っていても一目置くべきかもしれません。
しかし、近10年で5頭が前走からの斤量減で勝利している点は見逃せません。
穴馬を探す際は、前走から斤量が減っている馬を狙うべきではないでしょうか。
2–3:乗り替わりはマイナスとは言えない
続いて、前走からの乗り替わりについて考えてみたいと思います。
前走から騎手が乗り替わった馬 | 6・6・5・68 |
前走と同じ騎手が乗った馬 | 4・4・5・58 |
前走から乗り替わりとなった馬の方が好成績を挙げています。
短期免許で来日する外国人騎手が目立つ時期であることも影響している可能性があります。
もちろん、乗り替わりはプラスとは言い切れません。
主戦騎手が手綱を取り続けるメリットもたくさんありますが、乗り替わりをそれほど気にすべきレースではない、ということは言えるのではないでしょうか。
2ー4:上位人気馬は信頼できる
続いて、単勝人気と結果についてもチェックしておきましょう。
1番人気 | 3・1・0・6 |
2番人気 | 3・0・1・6 |
3番人気 | 1・4・1・4 |
4番人気 | 1・2・1・6 |
5番人気 | 2・0・2・6 |
6番人気以下 | 0・3・5・98 |
近10年は単勝オッズが5番人気以内の馬しか勝利していません。
穴党ファンの方も、3連単の頭は5番人気までの馬から選び、人気薄の馬に流すという馬券戦略が無難だと言えるかもしれません。
G1馬がこのレースをステップにマイルチャンピオンシップに挑むレースですので、実力馬が順当に勝ち上がる可能性が高い、ということになりそうです。
2ー5:昇級戦となる馬は苦戦
このデータも非常に重要なデータとなりそうです。
前走もオープンクラスだった馬 | 10・10・9・114 |
今回は昇級戦となる馬 | 0・0・1・8 |
今回が昇級戦となる馬は、近10年では3着が1回あるだけです。
夏場に下級条件を連勝している馬に注目したくなる気持ちは理解できますが、こうした上がり馬が通用するレースではなさそうです。
G1馬も出走するレースです。
格も重要であることがわかります。
3:近10年のデータから富士ステークス2022で狙うべき馬は?
この記事を書いている10/4の時点で、2022年富士ステークスにおける出走予定馬の情報がほとんどありません。
それでも確実に言えることがいくつかあります。
休養明けのG1馬をどのように評価すべきか、悩む方が多いレースですが、調教内容に不安がない限りは軽視すべきではなさそうです。
一方で新興勢力に期待したい人は、前走もオープンクラスを走っていて、その前走から斤量が減っている馬を狙うべきです。
無謀な穴狙いは傷口を広げるだけという結果に終わりそうです。
6番人気以下の馬が近10年で勝っていない、というデータが全てを物語っています。
いわゆるヒモ穴狙いでどこまで大きな払戻金を手にできるか?という視点を穴党の方は持つべきでしょう。
富士ステークス2022のデータ分析まとめ
冒頭でも触れた通り、富士ステークスは2020年にG2戦に格上げされました。
格上げされるということは、このレースで好走した馬が次走以降に行われたより大きなレースでも活躍するケースが増えたことで、富士ステークスはレベルの高い馬が集まるレースだ、と評価されたことを意味しています。
G1馬が休養明けでも好走するのは、レースのレベルが高いことを証明した結果と言っていいでしょう。
つまり、富士ステークスはマイルチャンピオンシップへ向けての王道路線なのです。
かつては、マイルチャンピオンシップの前哨戦と言えば、スワンステークス一択でした。
マイルチャンピオンシップを目標とする馬の中には、1,400m戦のスワンステークスでは距離不足、という陣営も少なくありません。
こうした馬たちにとって富士ステークスは、マイルチャンピオンシップと同じ1,600m戦で争われることから、ちょうどいい受け皿となっていることは容易に想像できます。
2021年の勝ち馬ソングラインは左回り巧者の為、マイルチャンピオンシップへは出走しませんでしたが、翌2022年には安田記念を勝利し、富士ステークス優勝馬の価値をさらに高めました。
2022年の富士ステークスもレースそのものはもちろん、勝ち馬の今後についても注目を集めることになりそうです。