2022年も夏の新潟競馬がスタートします。
新潟競馬場と言えば、「日本一の芝コース」で知られる競馬場です。
これまでも、数多くの高速バトルが繰り広げられてきました。
その高速バトルの中でも、新潟競馬場でしか見ることができないのが、直線1,000m戦です。
その究極の舞台で争われる重賞競走、アイビスサマーダッシュが、2022年夏の新潟競馬でも開幕週に組まれています。
レースそのものの魅力に加え、高配当が期待できる馬券にも力が入る一戦ですが、この直線1,000m戦について抱いている常識が時には覆されることもあるレースです。
そんなアイビスサマーダッシュを、近10年のデータから紐解いてみましょう!!
1:アイビスサマーダッシュ(2022)で有利な血統は母父ステイゴールド!
近10年のアイビスサマーダッシュについて種牡馬別成績を調べると、トップが2勝を挙げているサクラバクシンオーで、以下はバトルプラン、アドマイヤムーン、クロフネ、スウェプトオーヴァーボード、キングヘイロー、メイショウボーラー、ロードカナロア、マクフィが各1勝ずつとなっています。
しかし、サクラバクシンオーは2011年に死亡しており、登録されている産駒はJRAにいません。
従って種牡馬別のデータによる分析は困難であるため、今回は母父馬にて調べることにしました。
近10年のアイビスサマーダッシュで勝ち星を挙げている母父馬は次の通りです。
母父馬 | 着順度数 |
ボストンハーバー | 2・0・1・4 |
ステイゴールド | 1・2・0・0 |
サクラバクシンオー | 1・1・0・4 |
サンデーサイレンス | 1・1・0・6 |
ダンスインザダーク | 1・1・0・5 |
ネオユニヴァース | 1・0・1・1 |
フジキセキ | 1・0・0・4 |
ディープインパクト | 1・0・0・0 |
オース | 1・0・0・0 |
ポイント①目立つ母父サンデーサイレンス系
上記の表で名前が出てくる9頭中、6頭にサンデーサイレンスが入っています。
さらにステイゴールド、ダンスインザダーク、ネオユニヴァース、フジキセキ、そしてディープインパクトはいずれもサンデーサイレンス産駒の種牡馬です。
サンデーサイレンスの血は、距離に関係なく、日本競馬界に大きな影響を与えていることがわかります。
父系、母系問わず、血統表にサンデーサイレンスの名前が出てくる馬には警戒が必要です。
ポイント②血統での特徴が見つけ難いレース
とはいえ、母父馬で調べてもボストンハーバーの2勝がトップという状況ですので、血統に伴う傾向を見出し難いレースでもあります。
原因は、次に挙げる枠順によって結果が左右されることが多いからです。
これは、新潟・芝1,000m戦ならではと考えるべきでしょう。
2:アイビスサマーダッシュ(2022)の有利な枠順は8枠!一方で3枠は消しか
続いて、近10年のアイビスサマーダッシュにおける枠順別成績をご紹介します。
枠番 | 着順度数 |
1枠 | 0・0・1・16 |
2枠 | 1・2・1・13 |
3枠 | 0・0・0・18 |
4枠 | 1・1・0・18 |
5枠 | 1・1・1・17 |
6枠 | 1・2・2・15 |
7枠 | 2・2・4・16 |
8枠 | 4・2・1・17 |
ポイント①やはり8枠を中心視するのがセオリー
上記の表を見るまでもなく、新潟の芝1,000m戦は外枠重視がセオリーです。
近10年のアイビスサマーダッシュにおけるデータを紐解いても、8枠、7枠、6枠の順で好成績を残しています。
基本的には、枠順が出るまでは馬券検討を始めるべきではないレースと言えます。
ポイント②波乱の主役は内枠に潜んでいる?!
新潟芝1,000m戦は外枠が有利で、内枠が不利なのですが、近10年のアイビスサマーダッシュのデータを見ると、奇妙な傾向があることに気が付きます。
確かに3枠は全く馬券になっていません。
運悪く3枠を引いてしまった馬は、2022年も消しで良さそうです。
ところが2枠は1勝、2着2回と健闘しているのです。
2014年の覇者セイコーライコウは、2枠2番から勝利しています。
そして、さすがに勝ち馬が出ていない1枠ですが、2021年には最内枠を引いた17番人気のバカラクイーンが3着に入る大健闘を見せ、波乱を演出しました。
確かに内枠は不利ですが、それでも開幕週ですから極端に走りにくいということはなさそうです。
バカラクイーンの3着は、思い切って内ラチ沿いを進んだ鞍上・菅原明良騎手のファインプレーによるものでした。
穴党ファンは、内枠の馬によるヒモ荒れに期待すべきレースとなりつつあります。
ポイント②大外枠は意外に苦戦
外枠有利な新潟芝1000m戦ですが、馬番別成績で見ると、少々意外な傾向が見えてきます。
大外枠を引いた馬が「0・1・0・7」と、わずか1連対しかできていないのです。
近10年でアイビスサマーダッシュがフルゲート18頭立てで行われたのは4回ありますが、18番を引いた馬は「0・0・0・4」と馬券圏内に入っていません。
外ラチ沿いの「特等席」をすぐに奪える有利な枠であるはずですが、結果はその通りにはなっていないのです。
[banner file=’ad-banner35′]3:アイビスサマーダッシュ(2022)で有利な馬体重は480~499kg!
続いて、近10年のアイビスサマーダッシュを馬体重の面からデータ分析をしてみましょう。
馬体重 | 着順度数 |
439kg以下 | 0・1・0・9 |
440〜459kg | 1・0・0・16 |
460〜479kg | 2・3・5・31 |
480〜499kg | 4・3・5・42 |
500〜519kg | 1・1・0・25 |
520〜539kg | 2・1・0・6 |
540kg以上 | 0・1・0・1 |
ポイント①大型馬を中心視すべき
近10年で最も勝ち星が多いのは、4勝を挙げている480〜499kgですが、500kg以上の大型馬も3勝を挙げています。
中でも520〜539kgの馬は、勝率22.2%、連対率・複勝率33.3%という高い確率を誇っています。
スピード勝負の直線1,000m戦ですので、小柄な馬の方が強そうなイメージもありますが、439kg以下の馬は近10年で勝ち星がありません。
アイビスサマーダッシュで狙うべきは大型馬なのです!!
ポイント②前走から馬体重減の馬は消し
続いて、前走からの比較についても調べてみました。
前走から馬体重減の馬 | 0・5・4・63 |
前走から増減なしの馬 | 3・2・2・16 |
前走から馬体重増の馬 | 5・3・3・50 |
これは夏場のレース特有のデータと言えるかもしれません。
前走から馬体重が減っている馬は、近10年では1頭も勝っていないのです。
2022年は全国的に梅雨明けが早く、気温が高い日々が例年よりも長く続いています。
出走馬の体調を判断する上で、馬体重は重要な要素となりそうです。
アイビスサマーダッシュ(2022)出走予定馬の前走馬体重一覧
7/15(金)時点で、アイビスサマーダッシュに出走すると見られている馬たちの前走馬体重は以下の通りです。
出走予定馬 | 前走馬体重 |
オールアットワンス | 456kg |
マリアズハート | 500kg |
トキメキ | 516kg |
マウンテンムスメ | 460kg |
ビリーバー | 464kg |
ライオンボス | 544kg |
シンシティ | 476kg |
まとめ
新潟競馬場名物重賞として知られるアイビスサマーダッシュですが、サマースプリントシリーズの一戦でもあります。
つまり、スプリンターズステークスにつながる路線でもあるのです。
この日、新潟競馬場に集結した馬たちの中に、約2ヶ月後にG1馬と呼ばれる馬がいるかもしれません。
単に直線競馬でいいパフォーマンスを発揮する馬たちが集まるレースではない点も踏まえて、2022年アイビスサマーダッシュを見届けたいものです。