日本初の国際G1競走であるジャパンカップですが、かつては「馬券を買いにくいレース」という声がありました。
外国馬に関する情報を集めるのが難しく、データ分析が難しかったのがその理由でした。
しかし、近年は有力外国馬の来日が少なくなり、2019年のように日本馬のみでレースが行われた年もあり、他のG1レースと同様の感覚でデータ分析が可能となりました。
今回はそのジャパンカップにおけるデータ分析を試みたいと思います。
2022年のジャパンカップでの馬券検討にお役立てください。
1:ジャパンカップにおけるデータ分析の3つのポイント
それでは、近10年のジャパンカップのデータを元に、馬券検討のポイントとなる点を3つご紹介します。
ポイント①:6歳以上の馬は不利
まずは年齢別成績です。
3歳 | 2・4・2・13 |
4歳 | 5・3・3・36 |
5歳 | 3・3・4・40 |
6歳以上 | 0・0・1・47 |
近10年のジャパンカップにおいて、6歳以上の馬は3着が1回あるのみで、連対すらない状況です。
6歳以上の高齢馬は基本的に軽視でいいと思われます。
ポイント②:勝ち馬は5番人気まで
続いて単勝人気別成績です。
1番人気 | 5・1・2・2 |
2番人気 | 0・2・4・4 |
3番人気 | 2・2・1・5 |
4番人気 | 2・1・0・7 |
5番人気 | 1・2・0・7 |
6番人気以下 | 0・2・1・111 |
近10年の勝ち馬はいずれも5番人気以上の馬となっています。
6番人気以下の馬でも馬券圏内に入った馬はいますが、勝ち馬は出ていません。
馬単や3連単で馬券を購入する際、1着候補にする馬は5番人気までと覚えておきましょう。
馬連や3連複の軸馬を決める際も、5番人気までの馬から選択した方が良さそうです。
無謀な穴狙いは禁物と言えます。
ポイント③:前走はG1かG2のみ
続いて、前走のクラス別成績です。
前走G1 | 8・5・8・49 |
前走G2 | 2・3・2・44 |
前走G3 | 0・0・0・4 |
前走が重賞以外 | 0・0・0・8 |
近10年で、前走がG1かG2以外の馬は全く馬券に絡んでいません。
前走がG1・G2以外の馬はその時点でノーマークと考えて良さそうです。
2:ジャパンカップ2022の展開予想
この記事を書いている11/8の時点で、前哨戦の結果や各メディアの報道により、2022年のジャパンカップに出走すると見られている馬は次の通りです。
出走予定馬 | 騎乗予定騎手 |
オネスト(外国馬) | 未定 |
グランドグローリー(外国馬) | 未定 |
シムカミル(外国馬) | 未定 |
ヴェラアズール | 未定 |
ヴェルトライゼンデ | 未定 |
カラテ | 未定 |
シャドウディーヴァ | 北村友一 |
シャフリヤール | C.デムーロ |
ボッケリーニ | 未定 |
ユーバーレーベン | 未定 |
現時点では、この10頭の参戦が見込まれています。
フルゲートは18頭ですので、上記の他に参戦する馬が出る可能性はありますが、ひとまずこの10頭をこれまでお伝えしてきたデータ分析結果と照合してみましょう。
2-1:シャフリヤールが一歩リードか
日本調教馬で、データ上有利になりそうなのは、4歳馬のシャフリヤールと、5歳馬のヴェラアズール、ヴェルトライゼンデです。
特にシャフリヤールは、ジャパンカップと同じ東京競馬場の芝2,400m戦で争われる日本ダービーを2021年に勝っています。
海外帰りだった前走の天皇賞(秋)は5着に敗れましたが、前走がG1ですので、データ上も全く問題ありません。
データからはシャフリヤールが有力と言えるでしょう。
2-2:外国馬ではオネストに注意
3頭が出走すると見られている外国馬ですが、前年2021年にも来日し、5着に入ったグランドグローリーに注目している人も多いでしょう。
前走の凱旋門賞でも5着に入っています。
しかし、グランドグローリーは6歳牝馬ですので、データ上は有利とは言えません。
むしろ、パリ大賞で1・2着だったオネスト、シムカミルという3歳馬2頭に注目すべきです。
オネストは前走の凱旋門賞で10着でしたが、当時はパリロンシャン競馬場の重い馬場が合わなかったという情報もあり、日本の軽い馬場で巻き返しが見られる可能性に注意したいところです。
日本でも活躍馬が出ているFrankel産駒であるという点も魅力的です。
シムカミルという馬は、日本のドウデュースも出走していたニエル賞を勝った馬、として名前を覚えている人も多いのではないでしょうか。
オネストと比較すると、日本の軽い馬場への適性は未知数ですが、3歳馬ですので成長力に期待ができそうです。
3:ジャパンカップ2022のデータ分析
何と言っても、シャフリヤールに注目が集まりそうです。
前年2021年のジャパンカップでは3着でした。
その後、2022年のドバイシーマクラシックを優勝し、海外でも日本のダービー馬の実力を見せつけました。
その後もイギリス・アスコット競馬場のプリンスオブウエールズステークスに出走して4着に入っています。
帰国後の前走、天皇賞(秋)は5着でしたが、海外遠征から帰ってきての一戦だったこともあり、コンディション調整が難しかった点は否めません。
シャフリヤールにとっては、2,000mという距離もプラス材料とは言えないものでした。
今回はダービーと同じ2,400m戦ですので、前走の天皇賞(秋)を叩き台と考えれば、今回は要注目と言えそうです。
近10年のジャパンカップにおける傾向から、相手も基本的には日本調教馬から選ぶべきですが、2022年に限っては外国馬にも注意が必要です。
前述した通り、オネストは凱旋門賞よりもジャパンカップの方が馬場適性からも活躍できる可能性が高いと言えます。
シムカミルもドウデュースに先着した馬ですから、ドウデュースをモノサシにして考えると、ジャパンカップで馬券圏内に入っても不思議なことではありません。
グランドグローリーの前走、凱旋門賞で5着という成績は、このレースに遠征していた日本調教馬の全てに先着したことになります。
シャフリヤールが4着に入ったプリンスオブウエールズステークスでは、そのシャフリヤールに先着して3着に入っています。
2度目の来日で、コース経験がある点も軽視してはいけないポイントになりそうです。
2022年ジャパンカップデータ分析まとめ
基本的には、ダービー馬シャフリヤールを中心に馬券を組み立てるべきでしょう。
ドウデュースの回避が発表されていますので、日本勢では大将格と言っていい馬です。
前走の天皇賞(秋)に続き、短期免許で来日中のクリスチャン・デムーロ騎手が手綱を取る点も強調すべき材料と言えそうです。
相手も日本調教馬から選ぶべきですが、今回はグランドグローリー、オネスト、シムカミルという外国馬も全く軽視していい存在ではなさそうです。
外国馬が馬券に絡んでいない、という近10年のデータから厳しい戦いを強いられる可能性は否めませんが、2022年に出走を予定しているこの3頭に限っては、全く無視して馬券検討することはできないでしょう。
データ上は不利、という理由で人気を落とすのであれば、逆に買い目に入れて高配当を狙う、という馬券戦術も成り立ちそうです。
勝つところまでを期待するのは無謀ですが、2〜3着なら十分にありそうですので、穴党ファンはヒモ荒れを期待して買い目に押さえる、という買い方を検討する必要がありそうです。
こうした外国馬が馬券に絡むことで、レースの結果だけではなく、馬券としての魅力からも注目すべきジャパンカップと言えそうです。
2022年のジャパンカップは、11月27日(日)に東京競馬場の芝2,400m戦で争われます。