
JRAの各競馬場には「馬場造園課」というセクションがあります。
レースで出走馬が走るコースを管理するのが主な仕事です。
もちろん、芝コースの管理・育成も馬場造園課の仕事です。
ところが、阪神競馬場の馬場造園課にはもうひとつ大きな仕事があります。
コース脇にある桜の木を管理する仕事です。
阪神競馬場は、桜花賞というレースが行われる舞台です。
桜花賞当日は、競馬場内の桜が咲き誇る中、レースが行われますので、その桜の木を管理するのも、馬場造園課の大切な仕事なのです。
阪神競馬場の馬場造園課の方々によってしっかり手入れされた満開の桜の下、3歳牝馬たちによって争われるG1、桜花賞の過去を振り返ってみましょう。
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1:名牝伝説第1章
日本競馬史を紐解くと、名牝と呼ばれた馬たちが数多く登場します。
そしてこうした名牝と呼ばれた馬たちの多くが、3歳牝馬3冠戦線の第1戦桜花賞を経験しています。
まだ幼さも残る牝馬たちによる戦いの中、後に名牝と呼ばれた馬たちがどんな戦いぶりを見せたのか、ご紹介しましょう。
1-1:トライアルレースでの敗戦からの巻き返し~2012年優勝馬ジェンティルドンナ~
この2012年の牝馬3冠馬であり、2012年と2013年のジャパンカップを連覇し、2014年にはドバイシーマクラシックと有馬記念でも優勝した名牝ジェンティルドンナは、全姉に重賞2勝馬ドナウブルーがいることでも知られています。
今となっては信じられないような話ですが、ジェンティルドンナは桜花賞で1番人気ではありませんでした。
年明けのシンザン記念で牡馬を相手に勝利したのですが、前走の前哨戦・チューリップ賞では4着に敗れていたのです。
1番人気の座を前年の阪神ジュベナイルフィリーズを勝利したジョワドヴィーヴルに譲ったジェンティルドンナは、2番人気という評価で桜花賞の発走時刻を迎えることになりました。
しかし、チューリップ賞の時は2週間前に熱発があり、万全の状態ではありませんでした。
4着という結果は、叩き台だからこそのものだったのです。
本番・桜花賞では、メンバー最速の上がり3ハロン34秒3という末脚を駆使して馬群から突き抜けて、1冠目のタイトルを獲得してみせたのです。
牡馬を相手に勝利したシンザン記念の地力は本物でした。
ジェンティルドンナの名牝伝説は、この桜花賞での2番人気という意外な評価で幕を開けたのでした。
1-2:2018年優勝馬アーモンドアイは1番人気ではなかった
後に名牝と呼ばれた馬で、桜花賞で1番人気でなかったのはジェンティルドンナだけではありません。
JRAとドバイでG1・9勝を挙げたアーモンドアイも桜花賞では2番人気でした。
アーモンドアイよりも高い評価を受けていたのは、前年のアルテミスステークス、阪神ジュベナイルフィリーズ、そして年が明けてチューリップ賞と重賞3連勝中だったラッキーライラックでした。
アーモンドアイはシンザン記念を勝った後、前哨戦を使わずに桜花賞へ駒を進めます。
前哨戦を使わなかったことが、ラッキーライラックよりも評価が落ちる理由でした。
ところがレースでは、4コーナーで後方2番手のポジションから直線一気の競馬でゴボウ抜きし、ラッキーライラックに1馬身3/4差をつけて快勝してしまったのです。
この時、アーモンドアイが繰り出した上がり3ハロンのタイムは33秒2。他の馬たちとは1秒以上違う決め手で1冠目を獲得してしまったのです。
この日を境に、3歳牝馬戦線における主役の座はラッキーライラックからアーモンドアイに代わりました。
そして後には、日本競馬の主役に躍り出ることになったのです。
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2:桜の下での名勝負
ジェンティルドンナとアーモンドアイは、桜花賞の後はオークスと秋華賞も勝って、牝馬3冠馬となりましたが、3冠馬となることができなかった馬たちの中にも、桜花賞で名勝負を繰り広げた牝馬がいます。
そんな名勝負も振り返りましょう。
2-1:あの伝説には続きがあった~1994年優勝馬オグリローマン~
今日の競馬人気について、その起源となる出来事については諸説ありますが、オグリキャップが活躍した時代もそのひとつと言って間違いありません。
そのオグリキャップがラストランとなる有馬記念を勝利したのは1990年。
多くの人が涙したあの伝説は、4年経ってもまだ終わっていませんでした。
オグリキャップと同じく、笠松競馬場でデビューした半妹オグリローマンが兄と同様に中央競馬に移籍し、桜花賞に駒を進めたのです。
オグリローマンが、中央競馬のファンにその姿を披露したのは、2月のことでした。
移籍後の初戦となった、オープン特別のエルフィンステークスは9着。
続く3月のチューリップ賞は2着。
いきなり活躍して、中央競馬のファンを驚かせた兄と同じ、という形にはなりませんでした。
しかし、その強さは兄と同じものが受け継がれていました。
道中は、中団よりもやや後ろのポジションでレースを進めたオグリローマンでしたが、4コーナーで武豊騎手のゴーサインに応えた後の姿に、ある者は言葉を失い、別のある者は大きな声を上げたのです。
最後の直線で、オグリローマンが見せた末脚は、他の出走馬たちが止まって見えるほどの鋭さでした。
先に抜け出していたツィンクルブライドの大崎昭一騎手も驚きの表情を浮かべながら、並びかけてきたオグリローマンの姿を目にすることに。
オグリローマンとツィンクルブライドは並んでゴール板を通過しますが、勢いは明らかにオグリローマンの方が上でした。
そして、軍配もハナ差でオグリローマンに上がります。
オグリ一族恐るべし!!
多くの競馬ファンは、衝撃的な結末で、伝説に続きがあることを思い知ることになったのでした。
2-2:名評論家が渾身の一点勝負!!~1997年優勝馬キョウエイマーチ~
「優馬」という競馬専門紙があります。
東日本地区でも、西日本地区でも発行されており、その日にJRAで行われる36レース全ての馬柱表が掲載されている競馬専門紙です。
この「優馬」という競馬専門紙ですが、かつては「1馬」という名称で、東日本地区でのみ発行されていました。
「1馬」という名称だった当時、同紙の1面上部のコラムを担当していた名評論家がいました。
その人の名は、清水成駿氏。
ラジオの競馬中継での解説者としてもお馴染みの評論家でした。
穴予想が基本的なスタンスでした。
そして、情感あふれるコラムでも知られ、多くの読者の支持を集めていて、そのコラムや予想の印が気になっていた読者は少なくありませんでした。
その清水成駿氏がこの1997年の桜花賞時、「1馬」で公開した予想に驚いた読者は少なくありませんでした。
印が1番人気のキョウエイマーチと、2番人気のメジロドーベルにのみ打たれていたのです。
穴予想が売りの評論家が、なんと本命サイドの2頭に印を打ったことも驚きでしたが、この2頭以外には全く印が打たれていなかったことも、多くの読者にとって想定外でした。
「◎」と「○」だけで、「▲」も「△」もなかったのです。
そして、馬連で出された買い目は、この2頭による「16-18」の1点のみだったのです。
コラムには「この2頭以外は考えられない」といった内容の記載がありました。
穴党の評論家が見せた、本命サイドの1点勝負という意外な予想でした。
この年の桜花賞は、雨で不良馬場の下で行われました。
レースは2番手で流れに乗ったキョウエイマーチが、最後の直線で先頭に立ち、後続に4馬身差をつけて、1番人気に応えます。
その4馬身後ろで、2番目にゴールしたのはメジロドーベルでした。
清水氏が1点だけ挙げた「16-18」が正解でした。
払戻金は510円という、堅い決着でした。
しかし、フルゲート18頭立てのG1レースで、本命サイドとはいえ、1点勝負というのは、本命党のファンでもなかなかできることではありません。
その1点勝負に穴党の評論家が挑み、見事に的中させたことに、多くの読者から称賛の声が上がりました。
辛口の評論家としても知られ、様々な武勇伝を残した清水成駿氏。
2016年8月に逝去した後も、当時を覚えている読者は数多く存在します。
その武勇伝の中でも、この桜花賞での1点勝負は伝説として語り継がれています。
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3:桜花賞の馬券を買う際に、過去の傾向から覚えておきたいこと
牝馬にとって、3歳の春という時期は、まだ成長過程にあります。
桜花賞はそんな牝馬たちによる戦いだからこそ、馬券を買う側にとっては難解であり、しかし面白いレースなのです。
馬券検討に役立ちそうな傾向についてまとめてみました。
3-1:1番人気馬が苦戦するレース
前述した通り、ジェンティルドンナやアーモンドアイといった名牝も、桜花賞では1番人気ではありませんでした。
実は2010年以降、桜花賞で1番人気馬が勝利したのは、2010年のアパパネ、2014年のハープスターの2頭しかいません。
さらに2000年まで振り返っても、2001年のテイエムオーシャン、2004年のダンスインザムード、2009年のブエナビスタの名前がようやく出てくる程度です。
桜花賞は、1番人気馬が苦戦する傾向にあるレースなのです。
3-2:桜花賞と枠順の関係
2006年までの桜花賞は、枠順が出ないと馬券検討が難しいレースでした。
当時、阪神の芝1,600メートル戦は、1コーナー奥のポケット地点からスタートしていましたが、スタートして100メートルほどで2コーナーとなるため、外枠を引いた馬は圧倒的に不利だったのです。
2006年の桜花賞が終わった後、阪神競馬場は馬場改修工事が行われ、外回りコースが新設されました。
最後の直線が長くなり、スタート地点も向正面に変わり、外枠の馬が不利とはならないよう、改修されたのです。
以前よりも、7~8枠の馬が馬券圏内に入るケースが増えました。
今の桜花賞は「外枠は消し」とは言えなくなりました。
それどころか、連続開催の後半戦で、馬場の内側が掘り起こされて走りにくい状態になっている為に、外枠の馬の活躍が目立つようになりました。
一方で、馬場改修工事が終わった2007年以降、1枠の馬が勝利したケースは一例もありません。
今の桜花賞は昔と違い、「外枠有利」と断言できるようになっています。
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まとめ
競馬ファンなら、花見の時期には、競馬場で桜を楽しみたいものです。
桜花賞当日の阪神競馬場は、絶好の花見スポットです。
その満開の桜を背景に、乙女たちの戦いに一喜一憂するというのは、競馬ファンにとって、最高に幸せなことではないでしょうか。
もちろん、桜花賞の馬券を的中できれば、その幸せが倍増するのは言うまでもありません。
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