4月25日更新。
クイーンステークスは札幌競馬場を舞台に繰り広げられる牝馬限定戦です。
札幌・函館両競馬場のレースは、現地に滞在して調教され、レースに挑む形となるので、他の競馬場でのレースとは調教における考え方を変える必要があります。
こうした点を踏まえて、出走予定馬の調整過程をご紹介したいと思います。
参考にして頂ければ幸いです。
1:クイーンステークス2022|1週間前追い切り・調教タイムランキング
4月25日時点での最終追い切りまでの調教過程をチェックしてみました。
第1位:【評価A】マジックキャッスル
2022/7/27(水) | 函館W | 助手 | 良 | ーー | 68.1 | 53.0 | 38.9 | 12.6 | 馬なり |
外カレンレベンティス(馬なり)を5Fで0秒4追走し、4F併せで併入 | |||||||||
2022/7/24(日) | 函館W | 助手 | 良 | ーー | ーー | 57.4 | 41.6 | 13.7 | 馬なり |
2022/7/20(水) | 函館W | 助手 | 重 | ーー | 66.1 | 51.6 | 38.4 | 12.7 | 馬なり |
外ハーツイストワール(馬なり)を5Fで0秒6追走、3F併せで併入 |
ヴィクトリアマイル(17着)後の実戦です。
調教時計はまだ5本ですが、3週続けて併せ馬を消化しています。
涼しい函館で、万全の状態に仕上げられています。
第2位:【評価A】フィオリキアリ
2022/7/27(水) | 函館W | 助手 | 良 | ーー | 69.0 | 53.2 | 38.1 | 12.5 | 馬なり |
2022/7/24(日) | 函館W | 助手 | 良 | ーー | ーー | 59.4 | 44.0 | 15.6 | 馬なり |
2022/7/21(木) | 函館W | 助手 | 稍 | ーー | 69.4 | 53.2 | 39.0 | 12.9 | 馬なり |
7/10(日)に3勝クラスを勝利後も、函館に滞在して調整されています。
レース間隔がないので、調教時計は3本ですが、前走時よりも最終追い切りの時計が速い点に注目です。
第3位:【評価A】ホウオウピースフル
2022/7/28(木) | 札幌芝 | 助手 | 良 | ーー | 69.3 | 53.6 | 39.2 | 12.1 | 馬なり |
2022/7/21(木) | 函館D | 助手 | 稍 | 81.6 | 67.4 | 53.1 | 38.4 | 12.0 | 馬なり |
7/3(日)の巴賞で勝った後は、函館記念ではなく、このクイーンステークスへ駒を進めることになりました。
巴賞後も函館に滞在し、3本の調教時計が出ています。
そして、最終追い切りの前に札幌に移動しましたが、動きを見る限り、全く問題はありません。
函館記念を使わなかったことで、調教量が増えた点は好材料と考えていいでしょう。
第4位:【評価B】スライリー
2022/7/28(木) | 札幌芝 | 丹内 | 良 | ーー | 65.8 | 51.1 | 37.2 | 12.1 | 馬なり |
2022/7/20(水) | 美浦南 | 助手 | 良 | 81.7 | 65.3 | 51.5 | 37.7 | 12.2 | 一杯 |
5月のメイステークス(6着)以来の実戦となります。
調教時計は6本です。
美浦トレーニングセンターで1週前追い切りを行った後、札幌競馬場に移動しました。
最終追い切りは札幌で行われ、時計は上々です。
しかし、現地からの情報では環境の変化に戸惑っている様子もあるとのことです。
割引が必要です。
第5位:【評価Ç】テルツェット
2022/7/27(水) | 函館W | 助手 | 良 | ーー | 67.6 | 52.9 | 39.7 | 13.1 | 強め |
2022/7/24(日) | 函館W | 助手 | 良 | ーー | 71.2 | 56.0 | 41.9 | 13.6 | 馬なり |
2022/7/20(水) | 函館W | 助手 | 重 | ーー | 67.6 | 53.3 | 40.5 | 12.9 | 強め |
内モンタナアゲート(馬なり)を5Fで1秒1追走、1F併せで併入 |
ヴィクトリアマイル(13着)後、7月に函館に入ってから調教時計を5本出しています。
調教量は少なめで、時計も平凡な点が気になります。
第6位:【評価Ç】ウォーターナビレラ
2022/7/27(水) | 札幌芝 | 武豊 | 良 | ーー | 68.9 | 52.6 | 38.2 | 11.8 | 馬なり |
2022/7/20(水) | 札幌芝 | 吉田隼 | 良 | ーー | 67.9 | 52.4 | 37.5 | 12.0 | 馬なり |
外ドグマ(仕掛け)を5Fで0秒6追走、1F併せで0秒2先着 |
オークス(13着)後は、まだ調教時計が2本しか出ていません。
調教量が物足りない状況で、強調材料に欠ける印象です。
第7位:【評価Ç】ゴルトベルク
2022/7/27(水) | 札幌芝 | 助手 | 良 | ーー | 67.7 | 53.6 | 39.5 | 13.3 | 馬なり |
2022/7/20(水) | 美浦南W | 助手 | 良 | 85.8 | 68.8 | 53.0 | 37.9 | 11.6 | 馬なり |
内アップストリーム(仕掛け)と併入 |
マーメイドステークス(6着)後、調教時計が4本出ています。
1週前追い切りを美浦トレーニングセンターで行った後、札幌に輸送され、最終追い切りは現地で行われました。
レース間隔詰まっている中での輸送に不安が残り、調教も軽めである点をどう考えるべきか、判断に迷うところです。
第8位:【評価Ç】メイショウミモザ
2022/7/27(水) | 函館W良 | 助手 | 良 | ーー | 68.4 | 52.8 | 39.1 | 12.5 | ゴール前強め |
2022/7/24(日) | 函館W | 助手 | 良 | ーー | 73.8 | 56.9 | 41.9 | 13.3 | 馬なり |
2022/7/20(水) | 函館W | 助手 | 重 | ーー | 67.6 | 53.0 | 39.3 | 12.6 | 馬なり |
ヴィクトリアマイル(18着)後、まだ時計が4本しか出ていません。
強調材料に欠ける印象です。
第9位:【評価Ç】ルビーカサブランカ
2022/7/27(水) | 札幌芝 | 横山和 | 良 | ーー | 66.7 | 52.4 | 38.1 | 11.9 | 馬なり |
内テーオーラファエロ(馬なり)に5Fで1秒2先行し、1F併せで併入 | |||||||||
2022/7/24(日) | 札幌D | 助手 | 良 | ーー | ーー | 52.9 | 39.2 | 12.4 | 強め |
マーメイドステークス(7着)後、調教時計は2本しか出ていません。
最終追い切りはまずまずの内容ですが、上積みまでは疑問が残ります。
第10位:【評価Ç】ローザノワール
2022/7/27(水) | 札幌D | 助手 | 良 | 79.5 | 64.7 | 51.1 | 38.2 | 12.6 | 一杯 |
2022/7/24(日) | 札幌D | 助手 | 良 | ーー | 70.9 | 54.1 | 39.3 | 12.4 | 馬なり |
ヴィクトリアマイル(4着)後、まだ調教時計が2本しか出ていません。
強調材料に欠けます。
第11位:【評価Ç】ラヴユーライヴ
2022/7/27(水) | 札幌D | 古川奈 | 良 | ーー | 69.8 | 53.7 | 40.3 | 12.0 | 馬なり |
2022/7/22(金) | 札幌D | 古川奈 | 良 | ーー | 67.7 | 52.3 | 37.8 | 12.2 | 馬なり |
マーメイドステークス(13着)後、まだ調教時計が2本しか出ていません。
前走からの上積みはなさそうです。
第12位:【評価Ç】ファーストフォリオ
2022/7/27(水) | 札幌芝 | 丸山 | 良 | ーー | 65.8 | 51.4 | 38.2 | 11.9 | 馬なり |
2022/7/24(日) | 札幌D | 助手 | 良 | ーー | 69.8 | 53.9 | 40.2 | 12.3 | 一杯 |
函館スプリントステークス(11着)以降、まだ2本しか調教時計が出ていません。
最終追い切りの時計はまずまずですが、上積みがあるか、疑問が残ります。
第13位:【評価C】サトノセシル
2022/7/27(水) | 函館W | 助手 | 良 | ーー | ーー | 59.1 | 43.0 | 14.4 | 馬なり |
2022/7/20(水) | 美浦南 | 助手 | 良 | 81.6 | 65.1 | 50.8 | 36.8 | 11.6 | 強め |
内サクラトゥジュール(強め)と併せ、0秒3遅れ 外エスコバル(馬なり)と併せ、0秒2遅れ |
6月に3勝クラスで4着に敗れて以来の実戦です。
自己条件のレースにも登録があったのですが、クイーンステークスに駒を進めてきました。
格上挑戦で、前走後の調教時計が4本では強調材料に欠ける印象です。
苦戦が予想されます。
第14位:【評価C】フェアリーポルカ
2022/7/27(水) | 函館W | 助手 | 良 | ーー | ーー | 55.9 | 39.6 | 12.6 | 馬なり |
函館記念(12着)後ですので、調教時計が1本という点は仕方がありません。
但し、4Fからしか時計になっていない点が気になります。
上積みは吉できそうにありません。
2:クイーンステークス(2022)追い切り・調教好調馬はこの3頭
1週前追い切りの調教内容から「買い」と言えるのは、マジックキャッスル、フィオリキアリ、ホウオウピースフルの3頭です。
調教時計の本数が少なかったり、北海道への輸送に問題があったと思われる馬もいて、調教から推奨できる馬が少ない印象です。
[banner file=’ad-banner37′]3:クイーンステークス(2022)の追い切り・調教で見るべき点とは
冒頭でも触れた通り、札幌競馬、函館競馬は滞在競馬ですので、どの馬も現地に滞在して調整されます。
普段は美浦や栗東で坂路コースにて仕上げられている馬は、その坂路がありませんので、調教内容の変化に注意する必要があります。
また、函館競馬の開催が終了した後も函館競馬場に滞在して調整されている馬がいます(「裏函」と呼ばれることもあります)。
函館競馬場はダートコースの内側にウッドチップコースがあるため、この施設を利用したい陣営が管理馬を函館に滞在させ、追い切り後に札幌競馬場に輸送するという形を取るのです。
また、市街地に近い札幌競馬場と違い、函館競馬場は静かな環境下にありますので、馬の環境面でのメリットを考えて、札幌ではなく、函館に滞在する陣営も少なくありません。
夏の北海道シリーズ、特に後半の札幌競馬において馬券を購入する際は、こうした札幌・函館両競馬場の環境も考慮に入れた馬券検討が必要になります。
クイーンステークス(2022)の調教・追い切りまとめ
出走予定となっている馬の中に、調教時計の本数が少ない馬も多く、1週前追い切りの段階では判断に迷う要素も少なくありません。
最終追い切りまでどの馬もあと1〜2本は時計を出すと思われます。
輸送のない滞在競馬ですから、トレセンでは考えられない調教もあり得るかもしれません。
こうした調教に関する情報を直前まで集めて、馬券検討の材料とするのが、夏の北海道シリーズにおける戦術と言えそうです。
気候のいい北海道での調教ですので、放牧に出されたと勘違いをしてしまう馬もかつてはいたとのこと。
最近はあまり耳にしませんが、今でも想像できる事態だと言っていいでしょう。
そんな馬を見分けるのは、もちろん至難の業ではありますが、こうした点も夏競馬の面白さなのです。
この時期特有の現象を楽しむことにしようではありませんか。