アエロリット(2017年)、ディアドラ(2018年)といった、一線級の牝馬も歴代の勝ち馬にいる、夏の牝馬限定重賞クイーンステークス。
一方で、牝馬限定戦ならではの難解さもあることで知られています。
2020年には単勝11番人気のレッドアネモスが勝利するという波乱もありました。
ハンデ戦ではありませんが、穴党ファンも楽しむことができる重賞競走と言えそうです。
そんなクイーンステークスを様々なデータから探ってみたいと思います。
1:クイーンステークス(2022)で有利な血統はディープインパクト産駒!
まずは近10年のクイーンステークスで産駒が勝ち星を挙げた種牡馬を、勝利数順に了解します。
種牡馬名 | 着順度数 |
ディープインパクト | 3・1・1・11 |
ファルブラヴ | 2・1・0・0 |
ヴィクトワールピサ | 1・1・1・2 |
クロフネ | 1・1・0・1 |
ハービンジャー | 1・0・0・3 |
ストーミングホーム | 1・0・0・1 |
アグネスデジタル | 1・0・0・1 |
ポイント①近10年で3勝のディープインパクト産駒を中心視
上記の表からも明らかなように、キャトルフィーユ(2014年)、ミッキーチャーム(2017年)、テルツェット(2021年)と、ディープインパクト産駒が3頭の勝ち馬を出しています。
ディープインパクト産駒は年々その数が減りつつありますが、人気薄の高齢馬がディープインパクト産駒だった場合、穴で狙ってみる手はありそうです。
他ではファルブラヴ産駒が2勝していますが、これは2012年と2013年に連勝したアイムユアーズによるものです。
サンプル数が少ないので、このレースに強いと言えるか、どうかは、疑問が残ります。
ポイント②母系にサンデーサイレンスが入っている馬にも要注意
続いて母父馬に目を向けると、サンデーサイレンスが「1・5・1・9」となっている点が目につきます。
10年で1勝ですが、2着が5回もあります。
10年間で該当馬が16頭もいますが、連対率37.5%、複勝率43.8%は特筆すべき成績と言わざるを得ません。
この他、スペシャルウィーク、ネオユニヴァースといった、サンデーサイレンス産駒の種牡馬名が2頭、近10年の優勝馬における母父馬の名前として登場しています。
ディープインパクトもサンデーサイレンス産駒ですが、母系にサンデーサイレンスが入っている馬には要注意です。
2:クイーンステークス(2022)の有利な枠順は2枠!3枠は消し
続いて、近10年のクイーンステークスにおける枠番別成績をチェックしましょう。
枠番 | 着順度数 |
1枠 | 1・1・2・6 |
2枠 | 3・1・2・4 |
3枠 | 0・0・0・14 |
4枠 | 0・1・2・13 |
5枠 | 2・3・0・12 |
6枠 | 0・2・2・14 |
7枠 | 2・1・1・15 |
8枠 | 2・1・1・15 |
ポイント①2枠を中心視すべき
近10年で最も勝ち馬が出ているのは、3頭の勝ち馬が出ている2枠です。
一方で、隣の3枠は勝ち馬どころか、3着以内に1頭も入っていません。
偶然とはいえ、10年間で全く馬券になっていない枠があるというのは不吉です。
クイーンステークスの馬券を買う際には、是非とも押さえておきたいデータです。
ポイント②複勝率に注目
2枠ですが、勝率30.0%、連対率40.0%、複勝率60.0%というのは、他のどの枠との比較でも群を抜いてトップの数字です。
特に複勝率60.0%ということは、近10年のクイーンステークスで2回に1回以上の確率で3着以内に2枠の馬が入っていることを意味します。
2枠に入った馬をノーマークにする馬券戦術は成り立たないと考えた方が良さそうです。
ポイント③大外枠も軽視禁物
クイーンステークスが行われる札幌競馬場の芝1,800mのフルゲートは14頭です。
2枠は常に2番が1頭入るだけですので、2枠が強いレースということは、馬番でも2番に入る馬は必然的に要注意ということになります。
一方で軽視できないのが大外枠です。
近10年のクイーンステークスで大外枠を引いた馬は「1・1・1・7」と、過去3回も馬券圏内に入っている点には注意したいところです。
2019年の勝ち馬ミッキーチャームは8枠13番でした。
札幌競馬場は小回りコースですが、大外枠を軽視できる理由にはならないことを頭に入れておきましょう。
[banner file=’ad-banner37′]3:クイーンステークス(2022)で有利な馬体重は460~479kg!
次に、近10年のクイーンステークスを馬体重という視点で分析します。
馬体重 | 着順度数 |
419kg以下 | 1・0・0・2 |
420〜439kg | 1・2・0・6 |
440〜459kg | 1・0・2・17 |
460〜479kg | 5・8・4・43 |
480〜499kg | 2・0・4・13 |
500kg以上 | 0・0・0・12 |
ポイント①500kg以上の馬は消し
上記の表からも明らかなように、500kgを超える大型馬で馬券の対象となった馬は、近10年のクイーンステークスで1頭もいません。
500kgを超える馬は近10年で12頭も出ており、母数から考えて、これはかなり信頼できるデータと考えていいでしょう。
クイーンステークスを秋のG1戦線における始動戦と位置付ける陣営も多く、大型馬はこのレースを叩いて次走が買い、というケースも多いということなのでしょう。
ポイント②小柄な馬でも軽視禁物
大型馬が不振なのに対し、小柄な馬たちの活躍が目立っています。
2016年の勝ち馬マコトブリジャールは400kgちょうどという小柄な馬でした。
2021年に勝利したテルツェットも、当時の馬体重は426kgでした。
ハンデ戦ではなく、別定戦の為、小柄な馬は斤量等の恩恵がないと勝ち負けは難しい印象を持つ人も多いようですが、データ上はあまり関係はありません。
小柄な牝馬だからといって、軽視すべきではないのです。
クイーンステークス(2022)出走予定馬の前走馬体重一覧
ウインエクレール | 470kg |
ウォーターナビレラ | 468kg |
クラヴァシュドール | 466kg |
ゴルトベルク | 440kg |
スライリー | 438kg |
テルツェット | 432kg |
ファーストフォリオ | 442kg |
ホウオウピースフル | 496kg |
マジックキャッスル | 442kg |
メイサウザンアワー | 518kg |
メイショウミモザ | 458kg |
ラヴユーライヴ | 442kg |
ルビーカサブランカ | 476kg |
ローザノワール | 468kg |
まとめ
2022年のクイーンステークスには、2022年桜花賞2着のウォーターナビレラが出走予定だと複数のメディアが報じています。
かつては3歳馬が強いレースでしたので、出走すれば人気の中心となるに違いありません。
近10年で3歳馬は「2・0・1・9」で2勝していますが、4歳馬の「5・5・2・28」と比較すると大きく見劣る感は否めません。
この不利なデータをウォーターナビレラは覆すことができるでしょうか。
ウォーターナビレラにとって、札幌競馬場は新馬戦を勝った舞台ですが、当時は1,500m戦でした。
また、2021年のファンタジーステークス以来、勝ち星がありません。
こうしたプラス材料とマイナス材料をどう考えるべきなのか、当日まで悩まされる2022年クイーンステークスになりそうです。