夏競馬で唯一、G 2の格付けを持つ札幌記念が2022年も迫ってきました。
札幌競馬場で行われる最高峰のレースという点でも注目ですが、秋のG1戦線やフランスの凱旋門賞を目指す馬たちの始動戦としても知られ、G1並みの好メンバーが揃います。
2022年も、あの実績馬が早くから参戦を表明し、注目が集まっています。
そんな2022年札幌記念の馬券検討の一助として、馬体重、血統、枠順、騎手といったファクターについて、近10年のデータを紐解きます。
取り上げたデータが高配当的中のヒントとなれば、幸いです。
1:札幌記念(2022)で有利な馬体重は460~499kg!過去データを参照
まずは、近10年の札幌記念における、馬体重別成績をご紹介します。
459kg以下 | 0・0・2・19 |
460~479kg | 5・1・2・32 |
480~499kg | 4・3・3・36 |
500~519kg | 0・6・2・19 |
520~539kg | 1・0・1・5 |
540kg以上 | 0・0・0・2 |
ポイント①459kg以下の馬は消し
興味深いのは、近10年で459kg以下の馬が1頭も連対していない点です。
3着に入った馬も2頭しかいません。
小柄な馬には厳しいレースであることが、このデータからわかります。
ポイント②大型馬も過信はできない
小柄な馬には厳しいレースとなっている札幌記念ですが、一方で500kgを超える大型馬も近10年で1頭しか勝っていません。
2着馬が6頭出ていますので、「消し」とまでは言えませんが、大型馬も有利とまでは言えません。
近10年の勝ち馬10頭中9頭が、460〜499kgの馬だったことを頭に入れて予想すべきレースとなっています。
札幌記念(2022)出走予定馬の前走馬体重一覧
アイスバブル | 478kg |
アラタ | 466kg |
アンティシペイト | 496kg |
ウインマリリン | 476kg |
グローリーヴェイズ | 前走海外(2021年オールカマー時は464kg) |
ケイデンスコール | 474kg |
サトノクロニクル | 472kg |
サンレイポケット | 474kg |
ジャックドール | 508kg |
ソダシ | 476kg |
ハヤヤッコ | 480kg |
パンサラッサ | 476kg |
フィオリキアリ | 450kg |
マカヒキ | 510kg |
ユニコーンライオン | 516kg |
ユーバーレーベン | 前走海外(2022年京都記念時は466kg) |
レッドガラン | 518kg |
2:札幌記念(2022)で有利な血統はハービンジャー産駒!データから解説
続いて、2022年札幌記念を血統面から分析しましょう。
産駒が近10年の札幌記念で勝ち馬を挙げている種牡馬は次の通りです。
ディープインパクト | 3・3・1・11 |
ハービンジャー | 2・1・2・5 |
キングカメハメハ | 1・2・1・12 |
マンハッタンカフェ | 1・0・1・3 |
クロフネ | 1・0・1・1 |
ネオユニヴァース | 1・0・0・5 |
ゴールドヘイロー | 1・0・0・2 |
ポイント①ハービンジャーがディープインパクトを超える?!
近10年で最も多く勝ち星を挙げているのはディープインパクト産駒(3勝)ですが、その数はJRAで現役を続けている産駒が減り続けています。
ディープインパクトに代わる存在を探すべき時期だと言っていいでしょう。
その代表格と言えるのが、近10年で2勝を挙げているハービンジャー産駒ではないでしょうか。
注目すべきは複勝率の50%という数字です。
ハービンジャー産駒は2頭に1頭という高い確率で、馬券圏内(3着以内)に入っている点は驚異的です。
2022年の札幌記念もハービンジャー産駒には、注意が必要です。
ポイント②父系も、母系も、キングカメハメハ産駒に妙味あり
種牡馬別で3番目に成績がいいのは、近10年で3連対があるキングカメハメハ産駒です。
このキングカメハメハですが、母父別の成績でも近10年で2勝を挙げています。
札幌記念に欠かせない血統と言えるでしょう。
父系でも、母系でも、血統表にキングカメハメハの名前が出てくる馬には警戒が必要です。
3:札幌記念(2022)の有利な枠順は1枠!データを参照
続いて、近10年の札幌記念を、枠順という角度から分析してみました。
やや極端な傾向が出ています。
1枠 | 4・0・1・8 |
2枠 | 0・2・0・12 |
3枠 | 0・3・3・11 |
4枠 | 1・2・1・15 |
5枠 | 1・0・2・17 |
6枠 | 1・1・2・16 |
7枠 | 2・1・0・17 |
8枠 | 1・1・1・17 |
ポイント①1枠を中心視すべき
近10年で1枠が4勝を挙げています。
札幌競馬場は小回りコースの競馬場ですから、内枠が有利ということなのかも知れ得ませんが、2枠と3枠からは勝ち馬が出ていません。
「内枠が有利」なのではなく、あくまで「1枠」が有利なのだと考えるべきでしょう。
なお、2枠からも2着馬が2頭、3枠も2着3頭出ています。
3枠は3着馬も3頭出ています。
2枠や3枠を引いた馬を「消し」と判断すべきではありません。
ポイント②最内枠は「ホームランか?三振か?」
1枠の成績がいいということで、最内枠の成績が気になる、という方も多いでしょう。
最内枠の1枠1番を引いた馬ですが、近10年の札幌記念における成績は「3・0・0・7」です。
3勝していますが、2着馬、3着馬は出ていません。
「勝つか?惨敗か?」という「ホームランか?三振か?」のようなデータになっている点を頭に入れておきましょう。
4:札幌記念で活躍している騎手傾向!過去10年のデータから抽出
次に騎手に注目しましょう。
近10年の札幌記念で勝ち星を挙げた騎手をご紹介します。
川田将雅 | 2・1・0・2 |
C.ルメール | 1・1・1・4 |
福永祐一 | 1・1・1・4 |
横山典弘 | 1・1・0・4 |
吉田隼人 | 1・0・1・4 |
蛯名正義 | 1・0・1・4 |
四位洋文 | 1・0・0・4 |
太宰啓介 | 1・0・0・1 |
武豊 | 1・0・0・0 |
近10年の札幌記念で、川田将雅騎手が2頭を挙げています。
2014年にはハープスターで、2019年にはブラストワンピースで、それぞれ札幌記念を勝利しています。
九州出身の川田将雅騎手は、夏場は小倉や新潟での騎乗が多く、北海道(札幌・函館)を主戦場とするイメージはありません。
しかし、ハープスターも、ブラストワンピースもG1馬です。
実績馬がその先を見据えて札幌記念から始動する、ということで、本州から川田将雅騎手が満を辞して札幌競馬場に駆けつけた、というケースなのです。
同じ日に小倉競馬場では北九州記念が行われていることを考えると、この日に川田将雅騎手が小倉競馬場ではなく、札幌競馬場にいることの意味は非常に大きなものがあると考えて間違いありません。
2022年も札幌記念当日は、川田将雅騎手の動向に要注意です。
札幌記念のデータ分析まとめ
冒頭でも触れた通り、札幌記念は秋のG1戦線を占う上で重要な意味を持つレースなのですが、近10年のデータを紐解くと、意外に極端な傾向が見られることに気が付きます。
ここまで極端な傾向が見られるということは、こうしたデータに当てはまる人気薄の馬が見つかった場合、その馬は波乱の主役を演じる馬である可能性が高くなります。
G1馬も登場し、馬券としての妙味が薄いレースであるように思われる方も珍しくありませんが、札幌記念は穴党ファンにも魅力的なレースなのです。
2015年札幌記念における3連単の払戻金は233,540円でした。
2017年には3連単201,410円という高配当も出現しています。
2022年の札幌記念は早い段階から実績馬の参戦が報じられていますが、番狂わせに期待して馬券検討をすると、札幌記念をより楽しむことができることは言うまでもありません。