2018年には、3連単の払戻金が2,563,330円という大波乱の決着となった七夕賞。
ローカル小回りコースの福島競馬場で行われるハンデ戦らしく、予想・馬券で悩まされる、夏の荒れる重賞競走として知られています。
しかし、多くの競馬ファンは予想・馬券で悩まされる難解なレースが大好きです。
今回は2022年七夕賞において、波乱の主役となる可能性がある馬たちを紹介します。
高配当をもたらしてくれる可能性がある、楽しみな馬たちの参戦が2022年もありますよ!!
1:七夕賞(2022)は荒れるのか、波乱の主役となる注目穴馬4頭
それでは、現時点で2022年七夕賞に出走すると見られている馬たちの中から、波乱を演出することになると思われる穴馬候補を4頭ご紹介します。
注目穴馬①ヴァンケドミンゴ
2020年の七夕賞では、単勝6番人気で3着に入り、波乱を演じたことで注目を集めました。
デビューからの全4勝を福島競馬場で挙げているという、福島巧者として知られています。
同じ2020年の福島記念でも2着に入るなど、福島競馬場での強さは穴党ファンの間で良く知られています。
しかし、2021年‘は七夕賞で12着、福島記念で6着と、福島でも結果を残すことが出来ずにいます。
それでも穴馬は、忘れた頃の一発、が怖いのです。
福島でも勝てなくなった馬、として評価されなくなった2022年七夕賞こそ要注意です。
好走を目の当たりにして、「そう言えば、あの馬は福島で強いんだったよな」と多くのファンを公開させるタイプ、それがヴァンケドミンゴです。
今回は要注意の1頭です。
注目穴馬②トーラスジェミニ
2021年七夕賞の勝ち馬です。
しかし、その後の成績が芳しくありません。
8戦して勝ち星がありません。
そのうちの7戦は二桁着順でした。
唯一10着以内に入ったのは、3走前に高知競馬場に遠征して出走した黒船賞(8着)です。
ここまで酷いレースを続ければ、前年の覇者といえども人気にはなりません。
だからこそ怖い存在なのです。
近走が不振でも、過去にはこの七夕賞を勝利した馬なのですから。
連覇したのに人気薄だった、という奇妙な七夕賞となる可能性は十分にあります。
注目穴馬③プリマヴィスタ
2走前に中京で3勝クラスをコースレコードで勝利しています。
しかし、2000年7月に福島で1勝クラスを勝ち上がった時、馬場状態は稍重でした。
そして2021年3月に中京で2勝クラスを勝利した時は不良馬場だったのです。
七夕賞は、時期的に道悪となることも多いレースです。
オープン入り後はこのレースがまだ2戦目という格下馬ですが、道悪になった時は警戒が必要です。
注目穴馬④ヤマニンデンファレ
JRA所属騎手の中で「穴男は誰?」という質問に、江田照男騎手の名前を挙げる競馬ファンは少なくないでしょう。
テンジンショウグン、ダイタクヤマト、ネコパンチなどで、多くの競馬ファンにサプライズを提供してきた江田照男騎手が、デビューからの13戦中12戦で手綱を取ってきた馬が七夕賞に出走を予定しています。
その馬の名はヤマニンデンファレ。
まだ3勝クラスに出走可能な馬ですので、人気はありません。
その代わり、軽ハンデで出走できると思われます。
これまで挙げた3勝のうち2勝は逃げ切り勝ちでした。
逃げ馬は鞍上とのコンビネーションが重要です。
ヤマニンデンファレの全てを知り尽くした江田照男騎手の存在は、何とも不気味です。
ちなみに江田照男騎手は福島県出身ですが、まだ福島競馬場での重賞勝利がありません。
このヤマニンデンファレで、故郷に錦を飾る勝ち星を挙げることになる可能性は十分にあります。
2:七夕賞(2022)で穴馬たちから予想するレース展開
穴予想をする上で、展開を読むことは非常に重要です。
出走すると見られている馬たちの顔ぶれを元に、2022年七夕賞の展開を予想してみましょう。
展開①ハンデと枠順が展開を左右する
2022年の七夕賞に出走すると見られている馬の中に、「何が何でも逃げたい」という馬は1頭もいません。
逃げ切り勝ちを決めた経験の持ち主はいますが、いずれも番手での勝利も経験しています。
こういう顔ぶれの場合、「逃げるのはどの馬か?」という問いに対する答えは難解です。
最終的には、ゲートが開いて、1コーナーまでの間の駆け引きを経て決まるに違いありません。
従って、展開予想は非常に難しいのですが、ポイントは二つあります。
軽ハンデの馬に乗る騎手は、前でマイペースで流れに乗り、そのまま後続馬の末脚を封じて逃げ切ってしまおう、と考える可能性は十分にあります。
一方で、重いハンデを背負わされた人馬は普段よりも前のポジションで流れに乗るか、ロングスパートで途中から前に出て押し切ってしまおう、という戦術を取ることも珍しくありません。
小回りコースですから、外枠よりも内枠の方が楽に前のポジションを取ることが可能です。
内枠を引いたことで「逃げよう」と判断する騎手もいるかもしれません。
展開予想をする上で、ハンデと枠順は大きなポイントとなります。
展開②良馬場なら前潰れにはならない、但し道悪になると.…
上記からもわかる通り、スタートから1コーナーまでの間に騎手同士の駆け引きが様々な形で繰り広げられることになりそうですが、「何が何でもハナへ」という馬がいない以上、最後の直線で逃げ・先行馬が総崩れとなるようなハイペースにはならないと思われます。
2021年のように前が止まらない展開もあり得ますので、差し・追い込み馬には厳しいレースとなりそうです。
1000メートル通過が1分を切る可能性はそれほど高くないと思われます。
但し、これはあくまで良馬場の場合です。
雨が降り、道悪になるとどの騎手も普段より前のポジションを取りに行こうと考えます。
その結果、逃げ・先行馬のポジション争いが激しくなると、その分だけ前の馬に厳しい展開となることが予想されます。
差し・追い込み馬にチャンスが巡ってくるとすれば、道悪になった場合です。
もちろん、雨で滑りやすい馬場をモノともしない馬を見極める必要はあることは言うまでもありません。
展開③近10年の脚質別成績をチェック
逃げ | 1・1・1・7 |
先行 | 6・3・4・23 |
差し | 3・5・4・47 |
後方 | 0・1・1・44 |
マクり | 0・0・0・1 |
かつて、夏の福島競馬における最終週に組まれていた頃の七夕賞は、馬場の内側が荒れていることもあり、馬群の外を延びてくる差し・追い込み馬にもチャンスがあるレースでした。
しかし、2013年に開幕して2週目に組まれるようになってからは、外を回って追い込んで来る馬の台頭は見られなくなりました。
近10年の七夕賞で、馬群の後方から追い込んで来た馬が勝利したケースはありません。
現在は、比較的前で流れに乗る馬を狙うべきレースになっています。
[banner file=’ad-banner33′]3:七夕賞(2022)が荒れる可能性がある3つの理由
果たして、2022年の七夕賞は本当に荒れるのでしょうか?
荒れる可能性は非常に高いです。
荒れると断言できる3つの理由をご紹介します。
理由①軽ハンデ馬が不振
七夕賞のようなローカル平坦コースの競馬場で行われるハンデ戦は、軽ハンデ馬に注目が集まりがちです。
しかし、近10年の七夕賞で53kg以下の馬は「0・1・4・28」と勝ち馬がなく、連対馬も1頭しか出ていません。
軽ハンデ馬に有利なレースとは言い難い傾向が、多くの競馬ファンを悩ませているのです。
理由②展開が読みにくい
上記でも触れましたが、展開予想をする際に必ず考えなければならない「どの馬が逃げるのか?」が分かりにくい顔ぶれになりそうです。
逃げた馬が比較的有利になりそうなだけに、逃げ馬不在の今回は、非常に悩ましいレースとなることが予想されます。
騎乗する騎手たちの思惑をどう馬券に反映させるのか、レース直前まで悩むことになりそうです。
理由③夏競馬の格言が当てはまらない
ある程度の競馬歴があるファンなら「夏は格より調子」という格言を耳にしたことがあるはずです。
「夏の上がり馬」という言葉もある通り、下級条件を連勝してきた馬がその勢いで一気に重賞タイトルを獲得することがあります。
その為、夏競馬の間は、重賞でも連勝で下級条件を勝ち上がった馬に人気が集まります。
ところが近10年の七夕賞で、下級条件を勝ち上がってきた馬の戦績は「0・0・3・8」と、連対馬が出ていません。
さらに夏場に強いと言われる牝馬も、近10年の七夕賞では「0・1・0・10」と2着が1回あるだけなのです。
夏競馬の常識が当てはまらないレースだからこそ、七夕賞は荒れやすく、難しい一戦となっているのです。
4:七夕賞(2022)当日の天気と馬場状態
七夕賞が行われる7月上旬ですが、まだ東北地方では梅雨が明けていないことが多いです。
ところが2022年は関東甲信越地方が6月中に梅雨明けしてしまいました。
このペースだと、東北地方も七夕賞までには梅雨明けすると思われます。
当日の天候が馬場に影響を及ぼす可能性は低いでしょう。
台風接近などがない限り、良馬場で、夏競馬らしく、炎天下の下で七夕賞が行われることになると考えられます。
前述した通り、開幕して2週目の福島競馬場は、内ラチ沿いもそれほど荒れてはいないでしょう。
馬場の内側を通る、逃げ・先行馬に有利な馬場で七夕賞が行われることになりそうです。
まとめ
七夕賞が行われる時期の福島競馬場は、東北地方の短い夏を堪能するには最高の舞台です。
G1シーズンが終わり、休養に入る馬も多い季節ですが、だからこそ、その間に力をつける馬たちを七夕賞でしっかりと見極めたいものです。