競走馬の名前っていろいろありますよね!
一見笑ってしまうような名前を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、競走馬の名前の付け方について紹介します。
競走馬の名前の条件についても比較的細かく分けて、詳しく解説していきますので、是非最後までお読みください。
1:競走馬の名前は基本的に馬主が決める
競走馬の名前は馬主によって付けられます。
馬主が個人の場合はその馬主の希望がそのまま競走馬の名前になりますが、一口馬主の場合は団体として名前を付けます。
1-1:公募で候補を集めて決める場合もある
場合によっては、馬主が決めるのではなく、公募で候補を集めて決めることもあります。
最近の事例では、ホテルコンチネンタル府中が、2019年に誕生した4頭のサラブレッドの名前を公募で決めました。
約2,100件の応募が寄せられ、以下の4つに決定しました。
「コンチバリアシオン」
「コンチエトワール」
「コンチドリーム」
どれもホテルコンチネンタル府中の一部である「コンチ」を含んでおり、馬主である法人の名前にちなんでいますね!
1-2:JRAに登録される2歳くらいに名前がつくことが多い
競走馬に名前が付けられるタイミングですが、一般的にJRAに登録されるタイミングであるため、2歳くらいが一般的です。
先ほど例に挙げたホテルコンチネンタル府中の4頭も、2019年に誕生して2021年に名前が募集されたため、2歳での命名です。
1-3:産まれたばかりの頃は血統+年号で呼ばれる
名前が付けられる前は牧場で過ごすことになりますが、血統や血統に年号を加えた呼び方をされるのが一般的です。
名前を付けるのは馬主にのみ与えられる権利であり、自分が名前を付けた競走馬にはより愛着が湧きますよね!
牧場にいる間から名前をつけるのを心待ちにしている馬主も少なくないでしょう。
2:競走馬の名前には条件がある!
競走馬の名前を決めるのは馬主ですが、どんな名前でも付けられるわけではありません。
名前を付ける際は第3希望まで出すことができ、審査に通らなかったものは採用されません。
その条件は細かいものまで含めると非常に多いです。
ここでは比較的細かいものまで含めて8つ紹介しますが、さらに細分化することも可能です。
それぞれ詳しくみていきましょう。
条件①:カタカナで2文字以上かつ9文字以内
1つ目の条件は、
これはわかりやすい条件で、1文字は不可、10文字以上も不可ということです。
条件②:親と同じ名前は不可
2つ目の条件は、
こちらもわかりやすいですよね。
親の名前の一部を使うことは可能ですが、全く同じはNGです。
条件③:GI優勝など、偉大な功績を残した馬の馬名は不可
3つ目の条件は、
こちらはわかりにくいかもしれませんね…。
GI優勝は明確な基準ですが、「偉大な功績」についてはどこからが偉大になるのか意見が分かれそうなものです。
競走馬としての功績だけでなく、種馬としての功績も考慮されます。
条件④:宣伝目的の馬名は不可
4つ目の条件は、
馬主は法人であったり、法人の代表であったりすることも多く、競走馬を宣伝に役立てようと考えること自体は自然なことかもしれませんね…。
しかし、宣伝目的と判断された馬名は却下されます。
先述のホテルコンチネンタル府中のように、名前の一部を使う程度であれば問題ありません。
条件⑤:公序良俗に反する馬名は不可
5つ目の条件は、
競馬はメディアでも放映されるギャンブルであるため、メディアで流せないような言い回しは不可です。
当然といえば当然ですよね。
条件⑥:国際保護馬名は不可
6つ目の条件は、
競走馬の名前は世界的に基準があり、そちらも考慮されます。
ちなみに、カタカナで9文字以内というのも、アルファベット18文字以内という、世界的な条件とリンクしています。
条件⑦:音声が有名な馬名に似ていたら不可
7つ目の条件は、
実際の競馬場では実況や解説者の音声が流れるため、耳で聞いて混同しないかも1つの基準となります。
もちろん、現役の他の競走馬と混同してしまう恐れがある名前も不可です。
条件⑧:競馬用語と混同する懸念がある名前は不可
8つ目の条件は、
条件⑦と同様に、表記だけでなく音声における類似性も重要です。
3:却下された競走馬の名前3選
前章で紹介した8つの条件を踏まえた上で、条件に満たさないと判断されて却下となった競走馬の名前を3つ紹介します。
【却下された競走馬の名前3選】
モルフェーヴル
シンバ
既にどの条件をクリアできていないのか察しがついている方もいらっしゃるかもしれませんね!
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、申請が通らなかった理由がJRAによって公開されているわけではないため、あくまで理由は推測となります。
却下された名前①:イエスタカス
既に気付いているかもしれませんが、あの高須クリニックの院長が申請した名前です。
テレビCMでも使われたフレーズの一部であるため、条件④を満たしていないと考えられます。
なお、3つの希望を出す際、残りの2つは
「イエスイエスタカス」
「イエスタカスイエス」
で申請したところ、全て却下だったようです。
ただ、真相はわかりませんが、この3つの申請はJRAに届いていないという説もあります。
もしその説が本当であれば、宣伝目的かどうかの判断基準はそこまで厳しくないのかもしれませんね…。
却下された名前②:モルフェーヴル
一見問題なさそうな「モルフェーヴル」も却下されています。
理由は条件⑦を満たしていないためだと考えられます。
「モルフェーブル」は、クラシック三冠を達成したあの「オルフェーヴル」と発音が非常に似ています。
表記では2文字異なりますが、実況では聞き間違える可能性が高いといえるでしょう。
却下された名前③:シンバ
競馬ファンであれば、「シンバ」と聞いて最初に「新馬」が思い浮かぶ方もいらっしゃるでしょう。
却下された理由は条件⑧を満たしていないためだと考えられます。
しかし、ディズニーも好きな方であれば、ライオンキングの「シンバ」が最初に思い浮かぶ方も少なくないのではないでしょうか。
由来はライオンキングでも、競馬用語と同じ発音である以上却下されても仕方がないですよね…
4:実は競走馬の名前は登録後1度だけ変更ができる
一度申請が通って名前が決まっても、実は1度だけ変更ができるタイミングがあります。
それは、初出走までの期間です。
初出走までの間であれば、1度だけ名前が変更できます。
1度でも出走したら競走馬の名前は変更できません。
よく考えて付ける必要があります。
まとめ
競走馬の名前は馬主が付けます。
条件は細かく分けるとかなり多く、世界的な基準でも審査されるため、通らないことも少なくありません。
第3希望まで提出でき、全て落ちたら再度申請となります。
競走馬の命名は馬主にのみ与えられる権利ですから、条件を満たしつつ、なるべく理想通りの名前にしましょう!