2023年5月28日(日)に東京競馬場で日本ダービーが開催されます。
日本ダービーはホースマンたちの夢とも言える国内のビッグレースであり、ひと際注目度の高いG1です。
そんな日本ダービーですが、「最も運のある馬が勝つ」と言われるほど、枠順や展開がレース結果に影響を与えます。
そこで、今回の記事では2023年日本ダービーでの枠順の有利不利を過去の事例をもとに解説していきます。
日本ダービー2023の出走予定馬情報
今年も、競馬の祭典・日本ダービーが開催されます。
その中で優勝候補として多くの注目を集めているのが、クラシック一冠目の皐月賞を制した「ソールオリエンス」です。
皐月賞は、重馬場の中で1000m通過が58.5秒とかなりのハイペースになり、スタミナ勝負の消耗戦となりました。
「ソールオリエンス」は後方に位置し展開に恵まれた点もありましたが、最後の直線での追い込みは目を見張るものがありました。
全体の時計や上がりタイムは平凡ですが、それ以上に記憶に残る一戦となったことは間違いありません。
無敗の2冠馬を目指して、日本ダービーでも注目すべき存在です。
また、前哨戦のG2・青葉賞を制した「スキルヴィング」にも注目が集まっています。
デビュー戦こそ2着と取りこぼしましたが、その後は青葉賞を含む3連勝で重賞初制覇を達成。
既に東京芝2400mで結果を出している点は好印象で、皐月賞組を脅かす存在となっています。
その他、出世レースである共同通信杯の勝ち馬「ファントムシーフ」、弥生賞1着・皐月賞2着と申し分ない実績を残している「タスティエーラ」など楽しみなメンバーが揃いました。
今年の日本ダービーも、どのようなドラマが繰り広げられるのか、注目の一戦となりそうです。
東京芝2400mのコース特徴
枠順による有利不利は、競馬場の特徴によっても変わってきます。
そこで、まずは日本ダービーが行われる東京芝2400mのコース特徴について解説します。
スケールの大きな競馬場
日本ダービーが行われる東京競馬場は、日本ダービーだけでなく、ジャパンカップやオークスといったビッグレースが開催される日本の主要競馬場のひとつです。
そんな数々のビッグレースが行われるのに相応しいスケールの大きな競馬場であり、芝の1周距離は2083.1m、直線の長さは525.9mとなっています。
幅員も最大41mと非常に広いため、小回りが苦手な馬でも好走しやすいのが特徴です。
また、最後の直線は新潟競馬場に次ぐ長さであることから、差し・追い込み勢の活躍も目立ちます。
皐月賞は直線の短い中山競馬場で行われるレースであり、中山競馬場とは全く違う適性が求められます。
皐月賞で大敗してしまった馬が、日本ダービーで巻き返すことも珍しくはなく、東京競馬場への適性をしっかりと見極めなければいけません。
右回りから左回りへと変わる点にも注目で、左回りが初経験の馬にとっては未知数のレースとなります。
過去に東京競馬場での好走歴があるかは非常に重要な要素であり、出走馬がどの競馬場で実績を残しているかは必ずチェックしておいてください。
高低差があるタフなコース
東京競馬場の芝2400mはスタンド前から発走し、コースを1周するレイアウトになっています。
1コーナーから向正面半ばにかけて高低差1.9mの長い下り坂が続き、その直後は3コーナーの手前に高低差1.5mの上り坂が待ち受けています。
チャンピオンの座を争うコースにふさわしく、起伏の激しいコースであり、距離以上に豊富なスタミナが必要です。
そのため、スピードだけで日本ダービーを乗り切ることは難しく、短距離馬や中距離馬が失速してしまうケースも珍しくありません。
加えて、東京競馬場の最後の直線は525.9mと長いため、レース終盤で長く良い脚を持続する必要があります。
最後の直線で失速した逃げ・先行勢を後方にいた馬が差し切る展開も多く、レース中盤はスタミナを温存しなければいけません。
2400mのゆったりとしたペースでも、騎手としっかり折り合える気性も重要であり、競走馬としての総合能力が試されるコースです。
スタンド前からの発走
東京芝2400mは、スタンド前でのゲートインとなります。
日本ダービーは非常に注目度の高いG1レースであり、多くのファンが見つめる中でのゲートインとなるので、ここで入れ込んでしまうケースも珍しくありません。
ゲート前で入れ込んでしまうと、スタートで出遅れてしまう可能性も高くなり、レース中盤もスタミナを消耗してしまいます。
まだ精神的に幼い3歳馬にとっては過酷な条件であり、精神面での成長も重要なカギとなります。
さらに、日本ダービーは長い距離が意識されてスローペースになりやすいレースでもあり、序盤はゆったりとしたペースになります。
遅いペースでもリラックスして走る必要があり、騎手との折り合いを欠いてしまうと、スタミナをロスしてしまって最後に脚を残せません。
スピードやスタミナなどの単純な競走能力だけでなく、出走馬の気性面にも注目してください。
過去の事例から見る日本ダービーの枠順の有利不利
日本ダービーでの有利な枠順は、過去のレース結果から導き出すのが一番です。
そこで、ここからは日本ダービーの過去10年の枠順別成績や昨年のレース結果を紹介します。
日本ダービーの過去10年の枠順別成績
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 3- 2- 1-14/20 | 15.0% | 25.0% | 30.0% |
2枠 | 1- 1- 3-15/20 | 5.0% | 10.0% | 25.0% |
3枠 | 1- 0- 1-18/20 | 5.0% | 5.0% | 10.0% |
4枠 | 0- 2- 1-16/19 | 0.0% | 10.5% | 15.8% |
5枠 | 1- 1- 0-18/20 | 5.0% | 10.0% | 10.0% |
6枠 | 1- 2- 2-15/20 | 5.0% | 15.0% | 25.0% |
7枠 | 2- 1- 1-25/29 | 6.9% | 10.3% | 13.8% |
8枠 | 1- 1- 1-27/30 | 3.3% | 6.7% | 10.0% |
過去10年の枠順別成績を調べると、内枠がやや有利な傾向が見られました。
特に1枠は連対率25.0%・複勝率30.0%と好成績を残しています。
これは、日本ダービーが豊富なスタミナを要求されるタフなコースであることが影響していると考えられます。
上位に入るためには内ラチ沿いをロスなく立ち回り、レース終盤までスタミナを温存することが大切です。
それは、外枠の成績を見ても明らかです。
大外枠の8枠は連対率6.7%・複勝率10.0%とほとんど馬券に絡んでいません。
そのため、距離ロスを強いられる大外枠は、割り引きが必要です。
過去10年の結果から考えると、日本ダービーではコースロスなく立ち回れる内枠を狙いたいところです。
枠順から見る2022年日本ダービーのレース結果
次に、2022年の日本ダービーのレース結果を見てみます。
2022年の日本ダービーを制したのは、7枠13番に入ったドウデュースでした。
1000m通過58.9秒という速いペースの中、鞍上の武豊騎手は後方集団でじっくりと脚を溜める選択をします。
最後の直線では抜群の手応えで外から伸び、追いすがるイクイノックスをクビ差振り切ってのゴール。2分21秒9のレースレコードを叩き出しました。
2着に入ったイクイノックスも8枠18番と外枠に入り、2022年の日本ダービーは外枠でも上位に入ることが可能な展開だったと言えます。
しかし、これは道中が速いペースでなったことが影響したと考えられ、前を行く馬には厳しい展開でした。
ハイペースとなれば外差しも決まりやすくなりますが、スローペースでは前に届かなかった可能性があります。
そのため、日本ダービーではスローペースなら内枠有利、ハイペースなら外枠有利だと考えておくのが良さそうです。
まとめ
日本ダービーは、東京競馬場の芝2400mで行われるG1レースです。
東京芝2400mはチャンピオンコースと言えるほど、競走馬としての創業能力が試されます。
スピード・スタミナに加え、気性面も重要となり、どれかひとつでも欠けていたら上位に入ることは難しくなります。
また、起伏の激しいコースレイアウトなため、距離以上にスタミナが重要です。
そのため、日本ダービーでは内ラチ沿いをロスなく立ち回れる内枠を積極的に狙うのがおすすめです。