競馬ファンの方なら一度は「外れ馬券裁判」を聞いたことがあるでしょう。
外れ馬券裁判とは大阪の会社員が競馬予想ソフトを利用して5年間で約30億1千万円をもの配当を得たものの申告せず、実利益1億5,500万円を上回る税金を請求された事件です。
被告は「外れ馬券も経費に含まれる」と反論し裁判は泥沼化しました。
当記事では裁判の始まりと結末、被告がどのような競馬予想ソフトを使用していたのか紹介します。
1:競馬の配当を申告せず5億7千万円の脱税、大阪会社員逮捕
大阪市の元会社員男性(41歳)が競馬予想ソフトを使用し、2005年から2009年までの5年間で約30億1千万円をもの配当を得たものの申告せず、大阪地裁は5億7千万円の脱税を行ったとして、所得税法違反の罪で2011年に在宅起訴しました。
被告は馬券に約28億7千万円もの大金を投じ利益は1億5,500万円。
競馬の払戻金は一時所得として扱われるため、この会社員には利益以上の税額が課されました。
被告の弁護側は「外れ馬券も経費に含まれると反論」し無罪を主張。
馬券に総額約28億7千万円も賭けたことに驚きですね。
30億円を超える配当ばかりに目がいきますが、5年間の回収率を計算しますと約104%とそれ程高くありません。
要は104%の回収率だとしても、巨額な賭け金ですので利益も相当な額となり競馬を投資として成功させたことがポイントです。
2:外れ馬券は経費。事実上被告の勝利
通常万馬券など高額配当が的中した場合、的中した馬券に投じた馬券代のみが経費として差し引かれるます。
今回の事件では1レース毎に大量かつシステム的に馬券を購入する「投資行為」であったため、外れ馬券も経費として認めるべきか否かが争点です。
大阪地裁判決では「一般とは異なり、長期にわたって網羅的に馬券を購入している」・「金額も多額で、娯楽の域にとどまらない利益を得るための資産運用の一種」として外れ馬券も経費と認め、支払うべき税額は減額の判決を下しました。
しかし、これに検察側が控訴し、高裁でも第一審と同様の判決でしたが、検察側が上告したため、争いの場は最高裁へ持ち込まれ「外れ馬券が経費になるか否か」をめぐる泥沼裁判と発展。
最終的にこの事件は2015年5月に「外れ馬券の購入費も経費に算入できる」と認められ、被告は懲役2月、執行猶予2年(求刑懲役1年)の有罪となりながらも税額を約5200万円と約10分の1に大幅減額されました。
事実上、「外れ馬券裁判」で被告は勝利した結末となったわけですね。
3:被告のその後
しかし、被告はその後、裁判が報道されたため会社を退職。
平行して行っていた投資信託も2008年のリーマンショックのあおりを受け7千万円の損失を出しました。
現在、被告は2chで利用していたハンドルネーム「卍」を名乗り、「競馬放送局」や「競馬王チャンネル」など競馬サイトで予想を提供しています。
また、自身でもブログ「卍の投資競馬術」で情報を販売。
会社を退職後、被告はスキャンダルを逆手に取って競馬界で活躍しているようですね。
4:競馬予想ソフト「馬王」を独自カスタムしていた
気になる予想方法ですよね?
被告は市販の競馬予想ソフト「馬王」を利用していました。
単に馬王に任せるのではなく独自にカスタムをしていたことがポイントです。
被告はインターネットを利用しながら2004年から過去10年のレースデータを分析し、データとして数値化し馬王に改良を加えていき、100万円を元手に翌年の2005年には数百万円の利益を上げることに成功しました。
対象レースは過去の実績がない新馬戦や障害レースを除いた中央競馬の全レースで、単勝から3連単まで様々な馬券種を使用していたようです。
レースや買い目を絞り込んで、大穴の的中を狙っていたわけではなく、1レースにつき数十から数百通りと投げ網式に馬券を購入していました。
さらにオッズが高い場合は投資額を増やし、低い場合には投資額を抑えるアルゴリズムも加えるなど、ただ単に馬王の性能に頼ったわけではなく、独自に手を加えていったのことです。
4-1:馬王の最終改良版が販売されている
現在、馬王は1995年のリリースから幾度もの改良を経て「馬王Z」として販売されています。
馬王Zへの卍指数の取り込み方法(自動) https://t.co/JN4CfgN4cf
— 卍(馬券裁判男) (@manji_keiba) March 30, 2021
馬王の開発者・荒井俊也氏によると5年に及ぶ苦闘の開発期間を経てついに完成した馬王シリーズの最終形バージョンとのことです。
馬王時代は対象レースは中央競馬に縛られていたものの、馬王Zは、ばんえい競馬を除く全地方競馬にも対応しています。
馬王Zの販売サイトに「ライセンス料金」と「ソフトウェア動作環境」が紹介されていましたので引用します。
中央競馬+全地方競馬
1か月 12,000円+税
3か月 34,000円+税
6か月 65,000円+税
中央競馬
1か月 6,000円+税
3か月 17,000円+税
6か月 33,000円+税
全地方競馬
1か月 6,000円+税
3か月 17,000円+税
6か月 33,000円+税
※ 全地方競馬は、ばんえい競馬が対象外となりますのでご注意ください。
1.動作OS Windows 7、8、8.1
2.CPU Intel Core i3 3.3GHz以上
3.メインメモリ 4GB以上
4.ハードディスク 空き容量 20GB以上 (最低10GB必要)
5.ディスプレイ 1366×768(モバイルPCディスプレイ) 以上
6.インターネット 常時接続、ADSL12M以上
7.その他 中央競馬:JV-Linkのインストールおよび「JRA-VAN DataLab.」が別途必要
地方競馬:UmaConnのインストールおよび「地方競馬DATA」が別途必要
引用元:競馬最強の法則WEB
URL:http://saikyo.k-ba.com/members/bao/
もし気になる方がいらっしゃれば上記のURLからご確認ください。
4-2:馬王ZはJRA-VANサイトから無料ダウンロードできる
馬王ZはJRA-VANの有料会員(月額2,052円)なら無料でダウンロードができます。
無料ダウンロード版では過去180日以上前のタイム指数や成績データを参照、分析することができます。
要は競馬データベースソフトですね。
馬王Zのライセンスを購入すると、過去180日以内の予想タイム指数・タイム指数・デフォルトの得点・予想印を表示、自動投票機能も含め全ての機能を利用できます。
無料版馬王Zが気になる方はJRA-VANからダウンロードできますので試してみてください。
まとめ
以上、競馬予想ソフトで約30億1千万円を稼いだものの脱税で実利益以上の税金を請求された「外れ馬券裁判」を紹介しました。
最終的に外れ馬券が経費になることが認められ、被告は懲役2月、執行猶予2年(求刑懲役1年)の有罪となりながらも、課税額は約5200万円と当初の課税額の10分の1となり、事実上、被告の勝利という結末になりました。
現在、馬王は最終改良版「馬王Z」として販売されています。
JRA-VANでも無料ダウンロードできますので、気になる方はぜひ試してみてください。
今回の事件は約30億1千万円の配当総額も被告が市販の競馬予想ソフト「馬王」を独自にカスタマイズしたことと馬券に総額約28億7千万円も賭けた結果で、ただ競馬予想ソフトを利用しただけで稼いだ訳ではないことがポイントです。
被告は30億円以上も稼いだわけですが回収率調べるとたった104%でした。
馬券代に使った金額は約28億7千万円になります。
一般の方では賭けられない額ですよね?
そこで無料でプロの予想が貰える競馬予想サイトの利用をおすすめします↓↓↓