【語り継がれる伝説の名馬】歴史に名を残した超有名な馬の名前12選

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「好きな馬いる?」と聞かれたらどの馬をあげますか?

最近では、2020年にクラシック三冠を達成したコントレイルや、牝馬三冠のデアリングタクト、真っ白な馬体が印象的なソダシなどが印象的です。

競走馬は2歳でデビューを迎えて、順調に成績を上げる競走馬でも多くが5歳、6歳で引退を迎えます。

およそ3~4年程度の競走馬人生なのです。

有名な名馬のディープインパクトは、2004年の12月にデビューして、2006年の12月に引退しているので、競走馬としてはわずか2年間しか走っていません。

その2年間で、14戦12勝(うちG1で7勝)とすさまじい成績を上げたわけです。

競馬は世代交代の早いスポーツですが、功績をあげ中央競馬の発展に貢献した馬は「顕彰馬」としてJRA博物間館にブロンズ像や絵画が展示され、後世まで語り継がれます。

当記事では1984年から2020年までに「顕彰馬」に選定された有名馬の中から12頭紹介します。

令和最初の顕彰馬も紹介していますので、ぜひお気に入りの馬が選抜されているかチェックしてみてください。

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鶴谷義雄(デイリー馬三郎予想家)

【この記事の監修者】
鶴谷義雄(デイリー馬三郎予想家)

山口県出身、1969年デイリースポーツ入社。入社後、岡部幸雄から始まり、蛯名正義、横山典弘などの騎手たちとの信頼関係を築く。その後、専門誌・馬三郎にて本紙予想担当。50年越えの競馬記者人生を通して、競馬予想界の大御所と言われている。
Wikipedia 監修者紹介ページ

1:「顕彰馬」を受賞した34頭を一挙紹介

馬名 生年 選出年 競走成績
クモハタ 1936年 1984年 21戦9勝
セントライト 1938年 1984年 12戦9勝
クリフジ 1940年 1984年 11戦11勝
トキツカゼ 1944年 1984年 30戦11勝
トサミドリ 1946年 1984年 31戦21勝
トキノミノル 1948年 1984年 10戦10勝
メイヂヒカリ 1952年 1990年 21戦16勝
ハクチカラ 1953年 1984年 49戦21勝
セイユウ 1954年 1985年 49戦26勝
コダマ 1957年 1990年 17戦12勝
シンザン 1961年 1984年 19戦15勝
スピードシンボリ 1963年 1990年 43戦17勝
タケシバオー 1965年 2004年 29戦16勝
グランドマーチス 1969年 1985年 63戦23勝
ハイセイコー 1970年 1984年 22戦13勝
トウショウボーイ 1973年 1984年 15戦10勝
テンポイント 1973年 1990年 18戦11勝
マルゼンスキー 1974年 1990年 8戦8勝
ミスターシービー 1980年 1986年 15戦8勝
シンボリルドルフ 1981年 1987年 16戦13勝
メジロラモーヌ 1983年 1987年 12戦9勝
オグリキャップ 1985年 1991年 32戦22勝
メジロマックイーン 1987年 1994年 21戦12勝
トウカイテイオー 1988年 1995年 12戦9勝
ナリタブライアン 1991年 1998年 21戦12勝
タイキシャトル 1994年 1999年 13戦11勝
エルコンドルパサー 1995年 2014年 11戦8勝
テイエムオペラオー 1996年 2004年 26戦14勝
ディープインパクト 2002年 2008年 14戦12勝
ウオッカ 2004年 2011年 26戦10勝
オルフェーヴル 2008年 2015年 21戦12勝
ロードカナロア 2008年 2018年 19戦13勝
ジェンティルドンナ 2009年 2016年 19戦10勝
キタサンブラック 2012年 2020年 20戦12勝

2:名前が後世まで名前が語り継がれる有名馬12選

歴代の顕彰馬34頭から12頭を厳選して紹介します。

有名馬①:「キタサンブラック」2020年(令和2年選考)

2020年(令和2年)、令和最初の顕彰馬は「キタサンブラック」です。

キタサンブラックは演歌歌手北島三郎が事実上の馬主のG1レース7勝を誇る名馬です。

獲得賞金は18億7684万3000円で、アーモンドアイに次いでJRA歴代2位となっています。

2017年、引退レースの有馬記念を勝利で飾ったキタサンブラックは、恒例の北島三郎による『まつり』大熱唱もあり、盛大に大勢のファンに見送られました。

有名馬②:「ロードカナロア」2018年(平成30年選考)

2018年(平成30年)、平成最後の顕彰馬は「ロードカナロア」です。

ロードカナロアは2012年と2013年に最優秀短距離馬に選出された名馬です。

日本馬にとって困難と言われていた香港スプリントで圧倒的な強さを見せ、香港スプリントを含む短距離G1レースでは6連勝を記録しました。

ロードカナロアを担当した獣医は「心臓の音がスプリントの音じゃない、もうスゴい心臓をしていて2000とかでもこなすんじゃないか」と他距離でのポテンシャルも評価されていました。

有名馬③:「オルフェーヴル」2015年(平成27年選考)

2015年(平成27年)に顕彰馬として選考されたのは「オルフェーブル」で、気性の荒い性格なもののファンの多い名馬です。

オルフェーヴルはクラシック三冠を達成し、古馬になっても宝具塚記念や有馬記念を勝利しています。

2012年の阪神大賞典ではレース3コーナー前から先頭に立ち、そのまま後方まで逸走し、後退後再加速し2着まで追い上げる破天荒な走りをした逸話があります。

その後の宝塚記念では他馬を圧倒する走りを見せるなど気難しい性格の馬でした。

有名馬④:「エルコンドルパサー」2014年(平成26年選考)

2014年(平成26年)の顕彰馬に先行されたのは「エルコンドルパサー」1頭です。

エルコンドルパサーは日本の調教馬として凱旋門賞で初の2着を記録したことで話題を呼んだ馬です。

出生はアメリカで、NHKマイルカップとジャパンカップでも勝利をあげています。

1999年のインターナショナル・クラシフィケーションでマークした134というレートは日本競馬のレコードで、「日本の競馬界では20世紀最高の馬」と評する競馬関係者もいます。

有名馬⑤:「ウォッカ」2011年(平成23年選考)

2011年(平成23年)に顕彰馬となったのは「ウオッカ」1頭です。

ウオッカは牝馬として64年ぶりに日本ダービー馬となった牝馬で、「史上最強牝馬」と呼ばれていました。

有馬記念ではファン投票3年連続1位で、2009年の宝塚記念のファン投票では史上最高得票率76.1%をマークしました。

ウオッカは名実ともに1位の牝馬でしょう。

有名馬⑥:「ディープインパクト」2008年(平成20年選考)

2008年(平成20年)に選考された顕彰馬はディープインパクトです。

競馬をよく知らない方でもディープインパクトの名前だけは聞いたことがある方も多いと思います。

ディープインパクトは日本競馬史上6頭目の中央競馬クラシック三冠馬で、無敗の達成ではシンボリルドルフ以来の2頭目となります。

2006年には日本調教馬初の芝部門・長距離部門で世界ランキング1位とこれまで紹介してきた馬の中でも別格の実力を誇りました。

三冠のかかった2005年菊花賞では入場動員レコードとなる13万6701人の競馬ファンが集まり、単勝オッズは1.0倍と異例の事態になったことも有名です。

引退レースの有馬記念ではファン投票で16万297票を集めて堂々の1位となり、単勝オッズ1.3倍を記録したものの2着と黒星がついたのも話題になりましたが、ディープインパクトの黒星は有馬記念と凱旋門賞のたった2回だけです。

他を寄せ付けない圧倒的な強さから騎乗した武豊は「(自身が騎乗した)オグリキャップもスペシャルウィークもサイレンススズカも速かったけど、それとはまた感じの違う速さ。どっちが上とかじゃなく。」と評しています。

有名馬⑦:「ナリタブライアン」1997年(平成9年選考)

1997年(平成9年)にされた顕彰馬は「ナリタブライアン」で白いシャドールから「シャドーロールの怪物」と呼ばれていました。

ナリタブライアンはクラシック三冠を含むG1レース5連勝、10連続の連対を達成し1993年にJRA賞最優秀3歳牡馬に選出された名馬です。

マヤノトップガンとの阪神大賞典での一騎打ちは日本競馬の歴史に残るレースとして語り継がれています。

怪我の多い馬で古馬になってからは中々成績を残せない苦難が逆に競馬ファンからの指示を受ける要因となりました。

有名馬⑧:「トウカイテイオー」1995年(平成7年選考)

1995年(平成7年)に選考された顕彰馬は「トウカイテイオー」1頭です。

トウカイテイオーは国際G1競走を日本の調教馬として初勝利をあげた名馬です。

トウカイテイオーは皐月賞とダービーを勝利した2冠馬で、国際G1競走の国内調教馬初の優勝馬です。

七冠王と称された「シンボリルドルフ」の代表産駒でもあります。

宝塚記念での怪我では364日と丸1年の休養が強いられましたが、復帰戦の有馬記念では半馬身差で優勝と奇跡の復活を見せました。

その後、再び骨折し引退となったものの引退式には0万6179人のファンが訪れたのも逸話です。

怪我を乗り越えレースに挑む姿勢は「不屈の帝王」と競馬の殿堂の副題となっています。

有名馬⑨:「オグリキャップ」1991年(平成3年選考)

平成3年に選出された顕彰馬は「オグリキャップ」1頭だけですが、競馬ファンならご存知の通り国民の人気を集めた名馬で、「オグリ」との愛称で親しまれていました。

オグリキャップは「平成三強」の1頭として第二次競馬ブームを支えた名馬です。

1987年5月に笠松競馬場でデビューした地方の三流血馬でしたが、中央の有名馬をなぎ倒す立身出世物語が日本人の心を捉えました。

引退レースとなった1990年有馬記念では限界を指摘されていたものの、メジロライアンとホワイトストーンを抑えての優勝は「感動のラストラン」と呼ばれ、競馬の神様「大川慶次郎」はオグリキャップのことを「競馬ブームを最終的に構築したのはオグリキャップだ」と評しています。

有名馬⑩:「テンポイント」1990年(平成2年選考)

1990年(平成2年)には下記の5頭が顕彰馬として選出されました。

・スピードシンボリ
・メイヂヒカリ
・コダマ
・テンポイント
・マルゼンスキー

中でもテンポイントは額の星柄がトレードマークで「流星の貴公子」との愛称で競馬ファンから親しまれました。

栗毛と馬体と額の流星の美しさから「流星の貴公子」と呼ばれ、5歳時に天皇賞(春 )と第22回有馬記念を優勝した名馬です。

トウショウボーイとグリーングラスと共に「TTG」と称され、上記の有馬記念でトウショウボーイとの一騎打ちは競馬支の歴史に残る名勝負と言われています。

しかし、1987年の国外遠征に向けての壮行レース日経新春杯で骨折し、長期の闘病生活の末に死亡と悲しい結末を迎えました。

葬儀は栗東トレーニングセンターと吉田牧場で2回行われ、後者の葬儀では競馬関係者および競馬ファン400人が参列しました。

2つの葬儀は競走馬としては日本初で、中堅ハチ公以来の2例目とされています。

現在も多くのファンが献花に訪れている悲運の名馬です。

有名馬⑪:「シンボリルドルフ」1987年(昭和62年選考)

1987年(昭和62年)には「シンボリルドルフ」と「メジロラモーヌ」の2頭が顕彰馬として選出されました。

特にシンボリルドルフは史上初の七冠馬として有名です。

シンボリルドルフは日本の競馬において中央競馬クラシック三冠を無敗で達成した初めての馬です。

また、その他のG1レースを含めると史上初の七冠馬です。

馬名の「ルドルフ」は神聖ローマ帝国のルドルフ1世にちなんでつけられ、「皇帝」とも称されていました。

シンボリルドルフは「ルドルフ戦法」と呼ばれた好位抜出型やコーナリングの上手さが特徴的な馬で、1985年の天皇賞(秋)には「競馬には絶対はない。だがシンボリルドルフには絶対がある」との調教師野原はジャパンカップのCMでも引用されました。

JRAの競馬の殿堂では「七冠馬」という副題が付けられています。

有名馬⑫:「シンザン」1984年(昭和59年選考)

1984年(昭和59年)には10頭もの顕彰馬が輩出されました。

・クモハタ
・セントライト
・クリフジ
・トキツカゼ
・トサミドリ
・トキノミノル
・ハクチカラ
・シンザン
・ハイセイコー
・トウショウボーイ

中でも「シンザン」は五冠馬と称され戦後日本競馬を代表する伝説の馬ですので、名前を聞いたことがあるかもしれませんね。

シンザンはクラシック三冠(皐月賞、東京優駿、菊花賞)、宝塚記念、天皇賞(秋)、有馬記念といった当時の日本競馬で牡馬が参加できるG1レースを全て制し、デビューから引退までの19回の連続連対率は2019年現在でも破られていないレコードとなっています。

その走りは「鉈の切れ味」と形容され、雑誌「Number」では「ホースメンが選ぶ20世紀最強馬」で1位に輝きました。

シンザンは宝塚記念を含めて6勝していますが、宝塚記念は八大競走に含まれていなかったため五冠馬と六冠馬とは呼ばれませんでした。

JRAの競馬の殿堂では「最強の戦士」という副題が付けられています。

まとめ

他にも人気馬はたくさんいますが、これまで顕彰馬として選定された29頭の馬から特に注目したい11頭の馬名とエピソードを紹介しました。

当記事の中にお気に入りの馬はいましたか?

現在活躍している馬は、まだ顕彰馬として選定されていないものの、新年号初の顕彰馬となる可能性があります。

各名馬は各時代の競馬を盛り上げてきた名馬ばかりです。

今度はどの馬が顕彰馬となるか楽しみですね。

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