毎年7月に大井競馬場で行われている、3歳世代のダート最強馬決定戦ジャパンダートダービーについて、先日ある発表がありました。
3歳ダート戦線改革の一環として、ジャパンダートダービーは2024年から秋の実施となり、レース名も変更されるとのことです。
つまり、7月に「ジャパンダートダービー」という名称で行われるのは、2022年と2023年の2回を残すのみとなったのです。
「ジャパンダートダービー」というレースにいい思い出を残すチャンスは、あと2回しかありません。
そのジャパンダートダービーを、枠順、血統、脚質といったデータから紐解いてみたいと思います。
残り少ないジャパンダートダービーの馬券でいい想いをしようではありませんか!!
1:ジャパンダートダービー(2022)で有利な枠順は8枠!内枠は消し
まずは枠順別の成績を見ておきましょう。
一般によく言われている大井競馬場における常識とは異なる傾向が見られますので、要注意です。
枠番 | 着順度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 1・0・0・10 | 9.1% | 9.1% | 9.1% |
2枠 | 0・0・0・11 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
3枠 | 2・0・3・8 | 15.4% | 15.4% | 38.5% |
4枠 | 0・1・0・18 | 0.0% | 5.3% | 5.3% |
5枠 | 1・3・2・13 | 5.3% | 21.1% | 31.6% |
6枠 | 2・2・1・15 | 10.0% | 20.0% | 25.0% |
7枠 | 2・0・2・16 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
8枠 | 2・4・2・12 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
ポイント①8枠が強い理由
一般に、大井競馬場は「外枠が不利」と言われる競馬場です。
レース後のコメントで、敗因として外枠が挙げられるケースも珍しくありません。
ところが、近10年のジャパンダートダービーで最も成績がいい枠が8枠なのです。
2021年は枠連8−8で、払戻金が19,730円という8枠2頭による決着で大波乱となっています。
何故、普段は不利とされる外枠が、ジャパンダートダービーに限っては不利にならないのか?
その理由は、出走頭数にあります。
大井競馬場のフルゲートは16頭ですが、近10年のジャパンダートダービーが16頭立てで行われたケースは一度しかありません。
フルゲート割れで行われることが多い為、外枠を引いた馬も大きな不利にはならず、いいポジションでレースを進めることができるのです。
ちなみに8枠2頭で決まった2021年のジャパンダートダービーですが、勝ったキャッスルトップは13頭立ての12番枠からの逃げ切り勝ちでした。
フルゲートでなければ、外枠からハナに立って逃げることも難しくはないのです。
ポイント②意外に内枠は苦戦する傾向あり
一方で、内枠を引いた馬の苦戦が目立ちます。
2枠は近10年で全く馬券になっていません。
1枠は2018年に最内枠を引いたルヴァンスレーヴが勝利していますが、このルヴァンスレーヴ以外に馬券圏内に入った1枠の馬は1頭もいません。
ジャパンダートダービーは普段の大井競馬場でのレースとは異なり、内枠が不利となる傾向があるレースなのです。
2:ジャパンダートダービー(2022)で有利な血統は、ブライアンズタイムが母系に入っている馬
続いて、近10年のジャパンダートダービーを血統からチェックしてみましょう。
種牡馬別成績です(上位10頭)。
種牡馬名 | 着順度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
ゴールドアリュール | 2・0・1・4 | 28.6% | 28.6% | 42.9% |
シンボリクリスエス | 1・1・0・1 | 33.3% | 66.7% | 66.7% |
トワイニング | 1・0・0・0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
バンブーエール | 1・0・0・1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
American Pharoah | 1・0・0・1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
サウスヴィグラス | 1・0・0・1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
ディープスカイ | 1・0・0・2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
アグネスデジタル | 1・0・0・2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
キングカメハメハ | 1・0・1・6 | 12.5% | 12.5% | 25.0% |
Medaglia d’Oro | 0・1・0・0 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
ポイント①ダートのダービーにも血統のロマンあり。
「血統のロマン」を競馬の魅力のひとつと語るのであれば、2002年のジャパンダートダービーを勝ったゴールドアリュールから、クリソライト(2013年優勝馬)、クリソベリル(2019年優勝馬)といった全兄弟での勝ち馬が出ている点に注目すべきでしょう。
また、2021年の勝ち馬キャッスルトップの父バンブーエールは、2006年のジャパンダートダービーで2着に敗れていますので、キャッスルトップは父の無念を晴らしての勝利だったことがわかります。
芝の日本ダービー(東京優駿)と同様、ダートのダービーにも血統のロマン・ドラマがあるのです。
ポイント②ブライアンズタイムの血に注目
続いて、母父別の成績にも注目しておきましょう。
近10年のジャパンダートダービーにおける上位8頭は次の通りです。
母父馬名 | 着順度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
エルコンドルパサー | 2・0・0・0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
ブライアンズタイム | 2・1・1・4 | 25.0% | 37.5% | 50.0% |
アグネスタキオン | 1・0・0・1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
ネオユニヴァース | 1・0・0・0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
ラグビーボール | 1・0・0・0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
マヤノトップガン | 1・0・0・0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
El Corredor | 1・0・0・0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
パラダイスクリーク | 1・0・0・0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
トップのエルコンドルパサーは、前述したクリソライト、クリソベリルの全兄弟によるものです。
ここでは2番目のブライアンズタイムに注目します。
2012年優勝馬ハタノヴァンクール、2017年優勝馬ヒガシウィルウィンが該当します。
ダートでもサンデーサイレンス系種牡馬の活躍が目立ちますので、母系にブライアンズタイムの血が入っているというのは、ストロングポイントとなるのでしょう。
母系の2代上、3代上にブライアンズタイムが入っている場合も注目すべきでしょう。
[banner file=’ad-banner34′]
3:ジャパンダートダービー(2022)で有利な脚質は逃げ!
続いて、近10年のジャパンダートダービーを脚質別に紐解いてみましょう。
脚質 | 着順度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
逃げ | 2・3・0・14 | 10.5% | 26.3% | 26.3% |
先行 | 2・5・2・23 | 6.3% | 21.9% | 28.1% |
差し | 4・2・6・40 | 7.7% | 11.5% | 23.1% |
追い込み | 2・0・2・26 | 6.7% | 6.7% | 13.3% |
ポイント①まずは「何が逃げるのか?」を考えろ
上記の表からもわかる通り、逃げ馬がそのまま馬券圏内に残ってしまうケースが目立ちます。
2021年もキャッスルトップが逃げ切り勝ちを決めています。
ダートで2000メートルという距離は、古馬でも長距離に相当します。
距離を考えて、レース前半は緩い流れになり易い分、前で自らペースを作る逃げ馬には有利になりやすいのです。
ジャパンダートダービーを予想する時は、まずは「何が逃げるのか?」を良く考えるべきなのです。
ポイント②地方競馬の脚質は騎手が決める
地方競馬のダートコースは、仮に良馬場が2日続いても、火によって馬場傾向が変わることが珍しくありません。
雨で重馬場、不良馬場になった時は、その馬場傾向をどう読むか?が大きなポイントとなります。
地方競馬でリーディング上位にいる騎手ほど、この馬場傾向を読む能力に長けています。
JRA所属騎手でも武豊騎手などは、ダートグレード競走で訪れた地方競馬場では、必ずレースの合間に馬場を歩き、その状態を探っています。
こうした腕のいい騎手は、馬場傾向を理由に前走とは全く異なる位置取りでのレースを試みることも良くあるのです。
その馬の脚質は鞍上が作る、それが地方競馬なのです。
まとめ
ジャパンダートダービーを、枠順、血統、脚質という観点から紐解いてみました。
冒頭でも触れた通り、これまで書いたデータは今後使うことができるのは、「ジャパンダートダービー」という名称で行われる2022年と2023年の2回しかありません。
このデータを参考に、残り少ないジャパンダートダービーで高配当を手にできるよう、願っております。