競馬には「逃げ」「先行」「差し」「追い込み」4種類の脚質が存在します。
どの脚質にも特徴や得意とするレース傾向がありますが、追い込み馬の特徴はご存知でしょうか?
この記事では、追い込み馬の持つ特徴やメリット、現役最強の追い込み馬について解説していきます。
競馬における追い込み馬とは
競馬には4種類の脚質が存在しますが、その中の1つ追い込みにはどのような特徴があるのでしょうか。
追い込みの特徴や現役最強追い込み馬をご紹介します。
最終コーナー後の直線で一気に加速する馬
追い込み馬とは、最終コーナー後の直線で一気に加速する馬のことを指します。
レース終盤までは後方で体力を温存しておき、 最終コーナーで力を発揮することで上位の馬を抜き去るのが特徴です。
差し馬との違いは位置取り
よく追い込みと似た脚質として、差しが挙げられます。
差し馬も追い込み馬と同様に最終コーナーから加速する特徴を持っていますが、位置取りが異なるので注意が必要です。
基本的に追い込み馬は集団に混じって走ることを嫌うため、後方にのみ位置しますが、差し馬は集団に混じることに抵抗がないため、後方だけでなく中盤に位置することもあります。
代表的な追い込み馬
過去に活躍した代表的な追い込み馬をご紹介します。
1頭目は、獲得賞金が5億円を超えている「デュランダル」。
G1レースでも2勝している立派な成績だけでなく、勝利してきた多くのレースは最後方から一気に追い上げて抜き去るという、
いかにも追い込み馬という魅力的で夢のある走りから、多くの競馬ファンから人気を集めました。
悪天候でも、普段同様もしくは普段以上の力を発揮するのも特徴です。
血統 | 父:サンデーサイレンス 母:サワヤカプリンセス |
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獲得賞金 | 5億323万円 |
通算成績 | 18戦8勝(GⅠ2勝) |
2頭目は、 1983年に中央競馬史上3頭目、19年ぶりのクラシック三冠を達成「ミスターシービー」です。
追い込み馬が不利だとされる傾向にある中で、クラシック三冠を達成した驚異的な走りには注目が集まりました。
走りはもちろんですが、実績面ではトップクラスで頭一つ抜けている印象です。
血統 | 父:トウショウボーイ 母:シービークイン |
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獲得賞金 | 3億9,080万円 |
通算成績 | 14戦8勝(GⅠ1勝) |
現役追い込み馬最強はモズベッロ
過去に活躍した代表的な追い込み馬を紹介しましたが、現役でレースを走る追い込み馬ではどの馬が最強なのでしょうか。
現役追い込み馬最強は、「モズベッロ」です。
モズベッロの出場したレースは半分以上がGⅠまたはGⅡのレースであり、ハイレベルなレースでしのぎを削っています。
血統面や天候の影響を受けない競走馬向きな性格からポテンシャルを高く評価されており、追い込み馬の中では非常に注目度が高いです。
ディープインパクトの産駒であるディープブリランテを父にもち、追い込み馬に求められるスピードと瞬発力をしっかりと引き継いでいるのも大きな魅力でしょう。
血統 | 父:ディープブリランテ 母:ハーランズルビー |
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獲得賞金 | 2億3,049万円 |
通算成績 | 20戦4勝(GⅡ1勝) |
年齢 | 牡・5歳(2021年時点) |
追い込み馬のメリット
実際に行われるレースでの追い込み馬のメリットをご紹介します。
直線が長いコースで有利
追い込み馬は最終コーナー後の直線で一気に加速するため、コースの直線が長いほど強みが発揮でき有利です。
直線が長いレース会場は以下の3会場が挙げられます。
この3会場のレースで追い込み馬がいる場合は、是非チェックしてみて下さい。
早いペースのレースで有利
レースのペースが早まることで、多くの馬の体力は最終コーナー手前で切れてしまいます。
前述したように、追い込み馬の場合は最終コーナーまで体力を温存しているため、他の馬が前線で体力を削り合ってくれるのは好都合なのです。
レースが早いペースで進む条件として、逃げ馬や先行馬が複数いることが挙げられます。
前線に位置することを得意とする馬が複数いることで、お互いにより上位に進む傾向からレース全体のペースが上がります。
事前に出馬表を確認して逃げ馬や先行馬が複数いるようであれば、追い込み馬が有利になるレースです。
会場の天候による影響を受けにくい
追い込み馬の特徴として、スタートのタイミングを気にしない鈍感な性格であることが挙げられます。
鈍感な性格である追い込み馬は、繊細な性格の馬とは異なり、悪天候であっても影響を受けづらいです。
もちろん、鈍感な性格にも程度があるため、一概に全ての追い込み馬が当てはまるわけではありませんが、4種類の脚質の中で最も天候による影響を受けないとされています。
追い込み馬のデメリット
実際に行われるレースでの追い込み馬のメリットについて説明しましたが、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
追い込み馬のデメリットについてもご紹介します。
追い込み馬はダートで不利
追い込み馬はダートレースで圧倒的不利になってしまいます。
ダートは芝ほどスピードが出にくく、直線距離も短い傾向にあるため、最終コーナーで加速して上位を追い抜くといった追い込みの武器が封じられてしまいます。
スピードが出にくい、最終コーナー後の直線距離が短い、以上の2点から追い込み馬はダートレースでは不利になってしまうので注意が必要です。
レース全体のペースに影響を受けてしまう
メリットでも触れましたが、逃げ馬が複数頭出走するレースではレース全体のペースが上がるため追い込み馬は有利です。
反面、逃げ馬が1頭しかいないようなレースであれば、レース全体のペースは遅くなるため、追い込み馬が加速しても他の馬も体力が残っているため、抜き去ることができません。
逃げ馬が1頭しかおらず、レース全体のペースが遅いと判断できるようであれば、追い込み馬を選択するのは避けましょう。
騎手の実力が問われる
追い込み馬は他の脚質の馬と比べて、騎手の実力が必要とされる傾向にあります。
理由は、最終コーナーでの加速のタイミングや、外から追い抜く際の位置取りなどの難易度が高いためです。
経験の浅い騎手では加速のタイミングや、位置取りが不安定で想定していた展開にならない場合も多くあります。
追い込み馬を選ぶ際には、騎乗する騎手に注目しましょう。
まとめ
この記事では、追い込み馬の特徴や力を発揮できる条件について解説しました。
追い込み馬は他の脚質に比べて下位に位置することが多いため、敬遠されがちですが条件が合うとたちまち結果を出すような魅力的な脚質です。
中でも、天候に左右されないという特徴は他の馬と差別化が図れています。
メリットやデメリットを正しく理解して、追い込み馬でレースを楽しみましょう。