WIN5は高配当が見込める馬券なので、多くの人が一獲千金を狙って予想しています。
しかしながら、競馬ではあまりにも高配当を得てしまうと納税義務が発生するのをご存じではない方も多いでしょう。
しかも、納税せずに税務署から催促されたら追徴課税しなくてはなりません。
そのため、最悪の場合は的中したにもかかわらず税金でごっそり持ってかれる可能性もあります。
しかし、しっかり納税すれば全額持っていかれることはありません。
当記事では、的中したらほぼ確実に納税義務が発生するWIN5の税金についてまとめました。
《この記事で分かること》
- 税金の計算方法
- 雑所得に該当するケース
- 3億円の所得を隠した男の話
- 税金に関する知恵袋
- 税金に関する質問
1:WIN5で高額配当を手にしたら申告して納税する義務がある!
そもそも、競馬で税金を支払う必要があるのか、疑問に思っている人も多いかもしれません。
馬券でも税金を支払う義務があります。
実は税金を支払わないことでペナルティを課せられることもあるので、馬券が的中したときは税金の支払い義務について調べておかなければいけません。
競馬で税金を支払わないといけないのは、利益が50万円以上の場合です。
もしも、50万以下に抑えることができれば税金は払わなくても問題ないのです。
しかし、WIN5は当たり前のように100万馬券や1,000万馬券が飛び出します。
そのため、WIN5で高額配当を手にしたら税金を支払う可能性が極めて高いのです。
1-1:WIN5の税金の計算方法!
WIN5などの馬券の収入は、基本的に一時所得に該当します。
一時所得の課税所得額は、
で計算されます。
課税所得額を計算する際に50万円を差し引くことができるので、利益が50万円以上なければ税金を支払う義務はありません。
ところが注意しなければいけないのが、「収入を得るために要した費用」の部分です。
WIN5は的中率が低い馬券なので、当てるために何点も馬券を購入しなければいけませんよね。
そのため、的中したとしても、多くの外れ馬券を購入しているはずです。
一時所得の場合、「収入を得るために要した費用」へ外れ馬券を含むことができません。
WIN5を1点100円ずつ、合計300点買ったとしたら3万円の支出となりますが、「収入を得るために要した費用」としてみなされるのは的中した馬券の100円のみです。
はずれ馬券は考慮されないということを忘れないでおきましょう。
WIN5の配当は基本的に一時所得に該当するので、課税所得額を計算する際には注意してください。
1-2:雑所得に該当するケース
馬券の収入は一時所得に該当しますが、雑所得として認められたケースもあります。
2017年に行われた最高裁において、札幌に住んでいる原告の男性はインターネットで馬券を購入し、合計約5億7000万円の収入を得ていました。
確定申告のときに外れ馬券を経費として計算していたのですが、札幌国税局は外れ場面の購入代金を経費と認めず、約1億9000万円の追徴課税をしたのです。
ただし、最高裁において男性の訴えが認められ、最終的には外れ馬券が経費として認められました。
この男性の場合は馬券の購入が経済活動の一環であり、営利を目的とする継続的行為から生じた所得と認められたことが、雑所得になった主な理由です。
競馬を単純に楽しみながら馬券を買っている場合には、基本的に一時所得になり、雑所得に該当するかは、経済的な活動であり事業として実態があるかが焦点となります。
2:WIN5の最高配当5億5444万6060円に課せられる税金
2021年3月14日にWIN5で過去最高額となる5億5444万6060円という配当が飛び出しました。
この馬券を的中させた人がいるわけですから驚きですよね。
多くの人が気になっているのが、この過去最高額5億5444万6060円に課せられる税金です。
配当が大きいだけに、どれくらいの税金が課せられたのか気になるところではないでしょうか。
そこで、WIN5の最高配当5億5444万6060円に課せられる税金を計算してみました。
税金計算:納税額は1億5233万5139円
WIN5の配当はやはり一時所得に該当するので、
で計算します。
この計算式に当てはめると、
となるので課税対象額は2億7697万2980円です。
課税対象額は2億7697万2980円を給与などの他の所得と合算し、所得税や住民税が決まります。
合計の所得が4000万円以上の場合、所得税の税率は45%です。
これに住民税10%を加え、合計でおよそ55%が税金として取られてしまいます。
先ほど計算した課税対象額は2億7697万2980円の55%、つまり1億5233万5139円を税金として納めなければいけません。
WIN5の的中金額からおよそ27~28%ほどが、税金となるということです。
3:WIN5で税金払わなくてもバレない?過去に3億円の所得を隠した男の例を紹介
WIN5を的中させることは、多くの競馬ファンの夢です。
いつかはWIN5を的中させて、大金を手にしたいと思いますよね。
過去にはWIN5で3億円近い収入を得て、その所得を隠した男性もいます。
そこで、WIN5で得た3億近い所得を隠した男性の実話を紹介します。
3-1:WIN5で2回的中
3億円近くの払戻金を手にした大阪府寝屋川市の男性は、2回にわたりWIN5を的中させていました。
1回的中させるだけでも凄いことですが、2回もWIN5を的中させ高額配当を手にしていたのです。
この男性は平成24年に約3460万円、平成26年に約1億4350万円の課税所得があったのに申告をしていませんでした。
納めるべき所得税6200万円を脱税したとされています。
WIN5で3億円近い所得を得ると、納めるべき税金も6200万円と金額が膨れ上がります。
WIN5で高配当を的中させたときは申告を忘れないようにしましょう。
3-2:なんと追徴課税で約1000万円
さらに、WIN5で得た3億近い所得を隠したこの男性は、過少申告加算税や延滞税など計約1000万円を支払う必要が生じました。
国税当局は脱税案件の場合、追徴課税を行います。
こちらの男性も約6200万円の脱税をしていたため、追徴課税がされました。
ちゃんと申告しておけば約1000万円は支払わなくてよかった税金です。
追徴課税のリスクを考えても、WIN5が的中したときはしっかりと申告するべきであることがわかります。
3-3:芸人のじゃいも税務署にバレた
2022年6月。
競馬界に衝撃が走りました。
お笑い芸人『インスタントジョンソン』のじゃいが競馬で破産宣言したのです。
じゃいは芸能界屈指の馬券上手で有名です。
過去にはWIN5やトリプル馬単を何度も的中していて、馬券だけで1億円以上の払戻を得ていました。
そんなじゃいがどうして競馬で破産したかというと、税務署からの多大なる追加徴収を喰らったからです。
じゃいは毎年競馬の利益を確定申告していました。
しかし、じゃいは予想を多くの人に発信して競馬を通して利益を得ていたことから、経済活動に相当するのではないかと友人に言われたため、申告方法方法を一時所得から雑所得に変えました。
このことが税務署にバレ、一時所得と雑所得の差額分を支払うように命じられたのです。
じゃいは税金の在り方に関して控訴しようと考えたそうですが、時間とお金がかかりすぎることから、なかなか進展していません。
4:みんなは払ってる?WIN5の税金に関する知恵袋3選
WIN5の税金に関しては奥が深いですが、一言でいうとWIN5を当てたらほぼ確実に税金は支払わなくてはなりません。
なぜなら、WIN5は当たればほぼ確実に50万円以上の払戻になるからです。
あとから追徴課税されたくなければ、税金に関する知恵を身に着けておいたほうが安心してWIN5に取り組めます。
そこで、WIN5の税金に関して覚えておきたい3つの知恵袋を紹介します。
知恵袋①支払う税金は25~30%ほど
よくWIN5が的中したら半分は税金として持っていかれるといいますが、実際は25%から30%ほどです。
なぜ、多くの人が半分も持っていかれると思っているのでしょうか。
それは、税金の計算方法を誤って記憶しているからです。
実際の課税対象額は払戻金から当たり馬券購入の際の経費(100円)と50万円を引いて出た数値を2で割ることで算出できます。
そして、算出した数値から所得税と住民税の合計が税金となります。
つまり、2で割った時点で払戻の半分は手元に残り、さらには所得税と住民税の最大値は55%なので半分ではなくおよそ1/4ほどが持っていかれることになるのです。
知恵袋②雑所得になるケースは稀
WIN5の払戻金は一時所得として計上するのが一般的です。
雑所得にするにはあくまでも馬券購入が営利目的で、なおかつ継続的に購入し続けることで生じた利益であることを証明しなくてはなりません。
過去には競馬ソフトを使って継続的に馬券購入した人が裁判で勝ちました。
しかし、本業をお持ちの人なら継続的に営利目的で馬券を購入し続けるのは難しいでしょう。
雑所得での申告は一般の人には厳しいのです。
知恵袋③配当が50万円以下なら申告義務なし
WIN5ではあまり見ることがありませんが、もしも払戻金が50万円以下だった場合は税金は発生しません。
つまり、申告する必要もなくなります。
このことを逆手に、50万円以下の配当を狙ってWIN5を購入する楽しみ方もあります。
ところが、WIN5のオッズはJRAでは公開していません。
しかしながら、WIN5のオッズは出走馬の単勝オッズから求めることができます。
WIN5のオッズを瞬時に計算するのがWIN5配当計算機です。
WIN5配当計算機では買い目を複数選択し、一瞬でWIN5のオッズを表示します。
WIN5のオッズは各馬の単勝オッズで決まっているので、計算式で求めることができるのですね。
ただし、WIN5配当計算機のオッズは実際のオッズの変動とラグがあるので、あくまでも“おおよそ”のオッズしか表示されません。
なので、表示されたオッズはあくまでも参考程度にしておきましょう。
5:WIN5の税金に関してよくある7つの質問
インスタントジョンソンのじゃいの告発により、にわかに競馬の税金問題が注目されました。
しかしながら、いまだに税金についてよく分からないという方も多いでしょう。
特に、WIN5は的中したらほぼ確実に課税対象となります。
当項目ではWIN5の税金に関してよく聞く7つの質問を紹介します。
質問①WIN5が当たったら会社にバレる?
確定申告を行うことでバレずに済みます。
もしも、住民税が会社から引かれている場合は、確定申告書の第二表住民税に関する事項に、
「給与から差引き(特別徴収)」
「自分で納付(普通徴収)」
2つの項目があるので、「自分で納付(普通徴収)」を選択しましょう。
これで会社にバレずに済みます。
質問②税金の時効は?
3つの時効パターンが存在します。
- 確定申告を期限内に行った場合の時効は3年
- 確定申告を期限内に行わなかった場合の時効は5年
- 確定申告で虚偽の情報や脱税の疑いがかけられた場合の時効は7年
確定申告を意図して行わない、つまり払戻をまるまる手にしようとした場合は、悪い言い方をすれば7年持ち逃げできれば時効を迎えることができます。
ただし、時効期間内に催促状や財産を差し押さえられた場合は時効はリセットされてしまいます。
そのため、税務署に目をつけられたら持ち逃げはほぼ不可能と思っていただいてもいいでしょう。
質問③umaca投票でも税金バレる?
umaca投票でWIN5を的中したとしてもバレます。
そもそもumaca投票はキャッシュレス投票で競馬場や場外馬券売り場に設置されているumaca投票機から馬券を購入できます。
このumaca投票を行う際、あらかじめ専用のカードを作成する必要がありますが、このときに本人確認の身分証明証が必要です。
また、的中した払戻は登録した銀行口座に振り込まれます。
税務署は人の口座を見れるので、お金が大きく動いたら税務署も目を付けます。
登録の際に個人情報を提示しているのと税務署が銀行口座情報を見ることができるため、WIN5の的中はumacaでもバレるのです。
質問④WIN5を共同購入した場合は?
何も申告しなかった場合は払戻を受けた人だけが納税しなくてはなりません。
そのため、共同者すべての方に分割で納税義務が発生するように工夫しましょう。
共同購入でWIN5が的中した場合、よっぽどのことがない限りは配当を振り分けます。
振り分け方法はいくつかありますが、現金受け渡しの場合は領収書を作成し、銀行口座に入金する場合は通帳記入して証拠を残しておきましょう。
その証拠をもとに、それぞれの取り分を確定申告することで、それぞれの共同者に納税義務が発生し、一人の人が税金をかぶることがなくなります。
質問⑤税金の払い方教えて!
確定申告で払えます。
確定申告は春時期に期間が設けられ、期間内に税務署に足を運ぶか、国税庁のホームページから行えます。
税務署の場合は、受付の人に聞きながら書類に一通り記入しましょう。
国税庁のホームページから確定申告を行う場合は、マイナンバーカードやカードリーダーなどが必要で、また、e-taxなどのフリーソフトをダウンロードする必要があります。
一通りそろえたらあとは手順に従って入力すれば完了です。
質問⑥WIN5っていくらから買える?
一口100円から購入できます。
しかし、WIN5は100万点近い組み合わせ数が存在するので100円1点買いで的中させるのは単純な確率から見ても非常に苦しいです。
そのため、多点買いで購入するのが一般的な買い方です。
質問⑦競馬場でWIN5当てても税金払う?
競馬場に設置されているマークシートではWIN5を購入することができません。
WIN5はインターネット投票もしくはumacaカードでしか購入できないのです。
どちらも履歴が残る購入方法なので、的中した場合は脱税するのは難しいです。
WIN5の税金まとめ
WIN5の税金について紹介しました。
競馬の税金は50万円以下であれば申告義務はないものの、WIN5の平均配当が3,500万円ほどあるので的中したらほぼ確実に納税義務が発生してしまいます。
WIN5を楽しむのであれば、馬券の買い方だけではなく、税金の仕組みに関しても理解しておいた方がいいですね。
競馬における税金に関しては、国税庁のホームページにもまとめられていますし、問い合わせてもよいでしょう。
税金の情報もしっかり把握すると当たっても悔しい思いをしなくて済みます。
興味のある方はぜひ税金について学んでみてくださいね。