
大阪杯がG1レースとなったのは2017年。
ホープフルステークスと共に、JRAでは最も歴史が浅いG1レースです。
しかし、2016年までは、天皇賞・春や宝塚記念の前哨戦となるG2レースで、数多くの名勝負が繰り広げられてきた伝統の重賞競走でもありました。
今回は、G2時代、そしてG1昇格後の大阪杯における過去を振り返り、その名勝負や、馬券検討に役立つ傾向をご紹介しましょう。
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Contents
1:G1の前哨戦でも名勝負が続出~G2だった大阪杯の過去を振り返る~
前哨戦ということで、100%の仕上げではない。
しかし、出走する以上は、本番につながるレースをしなければならない。
G2時代の大阪杯に管理馬を出走させる陣営は、そんな難しさを抱えながらレースに挑んでいました。
その難しさが、意外な名勝負を数多く産み出していました。
そして、騎手という視点で見ると、興味深い特徴も見られるレースでもありました。
そんなG2時代の大阪杯を振り返ります。
1-1:実は「大阪杯男」だった騎手~2003年優勝馬タガノマイバッハ~
タガノマイバッハ 産経大阪杯 2003
馬と同じように、騎手もコースによって、得意・不得意があります。
そのため、特定の重賞競走で活躍する騎手も実在します。
この2003年の勝ち馬タガノマイバッハを勝利に導いた安藤勝己騎手(当時)も、この大阪杯では目立つ存在でした。
なぜなら、2年前の2001年にはトーホウドリームで、前年の2002年にはサンライズペガサスで勝利していたのです。
タガノマイバッハでの大阪杯勝利により、安藤勝己騎手はこのレースを3年連続で勝利したことになりました。
いずれも、別の馬での勝利でした。
トーホウドリームの時は、9番人気の馬を乗り替わりで導きました。
当時、安藤勝己騎手は、大阪杯では注目が必要な騎手だったのです。
安藤勝己騎手はこの3年連続勝利を含め、大阪杯を4勝していますが、その4勝目はあの名牝とのコンビでのものでした。
1-2:牡馬なんか敵ではない?!~2008年優勝馬ダイワスカーレット~
安藤勝己騎手が4度目の大阪杯を勝利した時のパートナーは、ダイワスカーレットでした。
前年の桜花賞と秋華賞を制した牝馬2冠馬で、その後はエリザベス女王杯でも優勝。
さらに、牡馬相手の有馬記念でも2着に入りました。
この大阪杯でも、牝馬はダイワスカーレット1頭だけでした。
スタート直後から逃げる形となったダイワスカーレットは、その直後の位置取りとなったアサクサキングス、エイシンデピュティのマークに遭いますが、こうした牡馬たちの厳しいマークを振り切り、そのまま先頭でゴール板を通過したのです。
このレースで、ダイワスカーレットは単に「牡馬に勝った」ということではありません。
2着のエイシンデピュティはその後、宝塚記念を優勝します。
3着のアサクサキングスはダイワスカーレットと同世代で、前年の菊花賞馬でした。
そしてこのレースには、ひとつ上の世代でダービー馬となったメイショウサムソンも出走していました(6着)。
一緒に走った牡馬たちも、トップレベルの実力馬だったのです。
こうした牡馬たちも全く敵ではない、という完璧な勝ちっぷりをダイワスカーレットは見せてくれたのでした。

2:中距離戦線の頂上決戦!!~G1となった大阪杯の過去を振り返る~
前述した通り、大阪杯は2017年にG1となり、中距離路線における春のチャンピオン決定戦となりました。
G1となって以降の大阪杯は、G2時代とは趣の違う、頂上決戦らしい名勝負が繰り広げられています。
それでは、G1となった大阪杯の名勝負もご紹介しましょう。
2-1:右回りを克服!!~2018年優勝馬スワーヴリチャード~
G1となって2年目、2018年の大阪杯優勝馬スワーヴリチャードですが、レース前にあるひとつの課題が指摘されていました。
デビューは2016年でした。
大阪杯と同じ、阪神の芝2,000メートル戦で行われた新馬戦で2着に入り、続く同じ阪神・芝2,000メートル戦の未勝利戦で初勝利を挙げます。
その後、スワーヴリチャードが出走して、馬券圏内(3着以内)に入ったレースは次の通りです。
2017年2月共同通信杯(G3・東京、1着)
2017年5月日本ダービー(G1・東京、2着)
2017年11月アルゼンチン共和国杯(G2・東京、1着)
2018年3月金鯱賞(G2・中京、1着)
馬券圏内に入っているレースは、東京競馬場や中京競馬場といった、左回りコースで行われたレースばかりでした。
ところが、右回りコースになると、
2017年12月有馬記念(G1・中山・4着)
と馬券圏内を外していたのです。
「左回りコースと比較して、右回りコースは不得意なのではないか?」
「いや、デビューの地であり、初勝利を挙げた阪神競馬場なら問題ないのでは?」
評論家やファンの見解は分かれていました。
前哨戦の金鯱賞を勝ち、1番人気に支持されながらも、単勝オッズは3.5倍という、断然の1番人気ではなかったのは、そんな多くの人々の迷いが反映されたものだったのです。
しかし、ミルコ・デムーロ騎手が手綱を取ったスワーヴリチャードは、早めにスパートして3コーナーで先頭に立ち、そのまま後続の追撃を振り切って勝利し、G1馬の仲間入りを果たしたのでした。
レース前に様々な見解が示されたスワーヴリチャードでしたが、G1馬となった舞台は、一部では苦手だと言われた、右回りコースの阪神競馬場だったのです。
2-2:無傷で頂点に立った2021年優勝馬レイパパレ
2017年産まれの競走馬たちといえば、牡馬ではコントレイル、牝馬ではデアリングタクトという2頭の3冠馬が誕生した世代として知られています。
デアリングタクトが秋華賞を優勝し、牝馬3冠馬となった日、そのひとつ前の大原ステークスというレースを勝ち上がった牝馬も、コントレイルやデアリングタクトと同じ2017年産まれでした。
その馬の名はレイパパレ。
大原Sは通算4勝目だったのですが、この時点で戦績は4戦4勝。
まだ負け知らずだったのです。
オープン馬となったレイパパレは、続くチャレンジカップも勝って5戦5勝。
無敗のまま、重賞ウイナーとなりました。
そしてレイパパレ陣営は、年明けの初戦にこのG1大阪杯を選択したのです。
ファンの評価は単勝オッズ12.2倍で4番人気という、微妙な評価でした。
G1ですので、これまでとは相手が違います。
さらに馬体重420キロ台の小柄な牝馬だったことも、無敗ながらも評価が低かった原因となりました。
この日は雨で重馬場だったのです。
「小柄な牝馬が、力のいる道悪競馬で実力を発揮できるのか?」という点を疑問視する評論家やファンも少なくありませんでした。
ところが、レースはそんな疑いの眼差しをあざ笑うかのような結果でした。
果敢にハナを奪って逃げ、1,000メートル通過59秒8でレースを引っ張ったレイパパレは、そのまま後続馬が並びかけることさえ許さず、2着以下に4馬身差をつけて、逃げ切り勝ちを決めたのです。
敗れた相手の中には、同世代のダービー馬コントレイルや、前年に安田記念、スプリンターズステークス、マイルチャンピオンシップとG1で3連勝を飾ったグランアレグリアもいました。
レイパパレはこうした一線級の馬たちを完封し、G1馬の仲間入りを果たしたのでした。

3:【大阪杯】の過去レースから傾向を導き出す
それでは、大阪杯の馬券検討をする上で役立つ、過去の傾向をご紹介しましょう。
ここではG1になった2017年以降のデータからご紹介します。
3-1:4コーナーでのポジションに注目!!
まずはG1となってからの大阪杯で、勝ち馬が4コーナーをどんな位置取りで通過したのか、チェックしてみたいと思います。
2018年優勝馬スワーヴリチャード(1番手、16頭立て)
2019年優勝馬アルアイン(4番手、14頭立て)
2020年優勝馬ラッキーライラック(5番手、12頭立て)
2021年優勝馬レイパパレ(1番手、13頭立て)
勝ち馬の中で、最も位置取りが後ろだったラッキーライラックでも、4コーナーを5番手で通過しています。
ラッキーライラックが勝った時は、道中は3番手で流れに乗っていたのですが、4コーナーでは他の馬が進出したことにより、5番手にポジションが下がっていました。
つまり、4コーナーをある程度前のポジションで回ることが可能な、器用な脚を使うことができる馬を探す必要がある、ということになりそうです。
位置取りは、乗っている騎手の作戦次第という側面がありますので、予測をするのが難しい要素ではありますが、過去のレース映像などをよく確認する必要がありそうです。
3-2:乗り替わりに注意
騎手に関する傾向もチェックしておきましょう。
G1になって以降の大阪杯で、前走とは異なる騎手が乗って勝利したのは、2019年のアルアイン(柴山雄一騎手→北村友一騎手)の一例しかありません。
他の年は、全て前走でも同じ騎手が手綱を取っていた馬が勝利しています。
大阪杯は、ドバイワールドカップデーと時期が重なります。
その為、ドバイに遠征した騎手が前走で騎乗していた馬は、大阪杯では乗り替わりとなりますが、この乗り替わりはマイナス材料になりかねません。
大阪杯を狙う陣営は、早い段階から主戦騎手のスケジュールを確保して、当日を迎えることになります。
この準備を怠らず、主戦騎手がドバイに行ってしまう、ということがないようにした陣営にチャンスが巡っていることを覚えておく必要があります。

まとめ
まだ、G1となってからの歴史が浅いレースですので、傾向が変わる可能性もあります。
しかし、大阪杯か、ドバイワールドカップデーか、どちらかの日程が大きく変わらない限り、この傾向は今後も続くと思われます。
天皇賞・春では距離が長過ぎる一方、ドバイに遠征するのも不安という陣営も少なくありませんので、このG1レースは今後も名勝負が期待できるでしょう。
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