当記事では、有力な現役の追い込み馬や、2021年のG1レースにおける追い込み馬の勝率の検証結果、検証結果についての考察を主に記載していきます。
現役の追い込み馬について詳しくなりたい方、追い込み馬に興味がある方、競馬の知識を今よりもつけたい方は是非当記事をご参考ください。
1:現役の競走馬の中で有力な追い込み馬3選
本章では、追い込み馬に分類される現役の競走馬の中で有力な馬を3頭紹介します。
1-1:モズベッロ
日経新春杯 – モズベッロ pic.twitter.com/TnvmsJtl42
— Horse Memorys (@horse_memorys) January 20, 2020
血統 | 父:ディープブリランテ 母:ハーランズルビー |
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獲得賞金 | 2億3,049万円 |
通算成績 | 20戦4勝(GⅡ1勝) |
年齢 | 牡・5歳(2021年時点) |
有力な現役の追い込み馬として最初に紹介するのはモズベッロです。
出場したレースの半分以上がGⅠまたはGⅡのレースであり、ハイレベルなレースでしのぎを削っています。
GⅠでの勝利はまだないものの、GⅡでは勝利を挙げており、現役の競走馬の中で実績があり、かつ今後の活躍も期待できます。
ディープインパクトの産駒であるディープブリランテを父にもち、追い込み馬に求められるスピードと瞬発力をしっかりと引き継いでいます。
また、悪天候で馬場状態が悪くなった時の方が力を発揮する点も特徴的です。
重馬場のレースでモズベットが出場していたら是非注目してみましょう。
1-2:ディープモンスター
阪神10レース すみれステークスの勝利馬ディープモンスターは強い。出遅れでもしっかり勝ちきる。クラシックでも注目。 pic.twitter.com/uJ9AaCemyu
— まっつん (@TBwMwyNVs1WsysB) February 28, 2021
血統 | 父:ディープインパクト 母:シスタリーラヴ |
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獲得賞金 | 4,150万円 |
通算成績 | 7戦3勝 |
年齢 | 牡・3歳(2021年時点) |
有力な現役の追い込み馬として次に紹介するのはディープモンスターです。
ディープインパクトの産駒であり、終盤の追い込みに必要なスピードと瞬発力はしっかりと備わっています。
モズベッロはこれまでの実績や評価を元に選定しましたが、ディープモンスターはさらなる活躍が大いに期待できるため選定しました。
皐月賞、日本ダービーとなかなか結果は出ませんでしたが、実力は確かなものがあります。
日本ダービーでは早めに勝負をかけたものの失速し、16着で終わってしまいました。
しかし、ディープインパクト譲りのスピードや瞬発力は素晴らしいものであり、終盤で一気に抜き去るレースをこれから見せてくれるかもしれません。
やっぱり追い込み馬の最後の追い込みは見ていて楽しいですよね!
1-3:サトノレイナス
【サフラン賞】デビュー2連勝サトノレイナス 阪神JF参戦を示唆|WIN!競馬 https://t.co/24m1tpQ9zY #keiba #jra @winkeiba_dmから pic.twitter.com/NRNHZxkEaN
— WIN!競馬_総合 (@winkeiba_dm) October 4, 2020
血統 | 父:ディープインパクト 母:バラダセール |
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獲得賞金 | 1億800万円 |
通算成績 | 5戦2勝 |
年齢 | 牝・3歳(2021年時点) |
最後に有力な現役の追い込み馬として紹介するのはサトノレイナスです。
ディープモンスターと同様にディープインパクトの産駒であり、父譲りのスピードと瞬発力はかなりのものです。
実績はまだそこまで目を見張るものではありませんが、出場した5レースのうち3レースが1番人気、2レースが2番人気と、デビュー当初から高い評価を得てきた競走馬です。
2歳時の阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞は共にソダシに次いでの2着。
オークスには出走せずに、日本ダービーを選択して5着。
もし、オークスに出走していれば間違いなく勝ち負けだったはずです。
特に桜花賞では、最後方から追い込んで2着まで昇りつめ、見ていて圧巻のレースでした。
結果だけでなく、レースの見ごたえも大いに期待できる競走馬です。
2021年8月に放牧先でのアクシデントにより、現在は骨折休養中。
復活しての、あの鋭い追い込みを期待したいところですが、まずは元気な姿を早く見たいものです。
ここで挙げた3頭はいずれも有力馬ですが、特にディープモンスターもサトノレイナスはまだ3歳であるため、追い込み好きにとっては今後目が離せませんね!
2:2021年のG1レースにおける追い込み馬の勝率を検証
本章では、2021年のG1レースにおける追い込み馬の勝率を検証します。
本検証の対象となるレースは2021年2月21日から10月14日までに行われた14レースです。
脚質は複数の競馬新聞を参考にしつつ、独自に調査したものです。
追い込み馬として扱うかどうかは、追い込みの位置取りをするレースの頻度や追い込みにおける勝率が主な基準となっています。
グランアレグリア、ピクシーナイトはどの脚質も持つため万能と記載しており、追い込みの戦略をとることもありますが、頻度がそこまで高くないため、本検証では追い込み馬として扱いません。
開催日 | レース名 | コース | 優勝馬 | 脚質 |
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2月21日 | フェブラリーS | ダ1,600メートル | カフェファラオ | 逃げ・先行 |
3月28日 | 高松宮記念 | 芝1,200メートル | ダノンスマッシュ | 先行(稀に差し) |
4月4日 | 大阪杯 | 芝2,000メートル | レイパパレ | 逃げ・先行 |
4月11日 | 桜花賞 | 芝1,600メートル | ソダシ | 逃げ・先行 |
4月18日 | 皐月賞 | 芝2,000メートル | エフフォーリア | 先行(稀に差し) |
5月2日 | 天皇賞(春) | 芝3,200メートル | ワールドプレミア | 差し |
5月9日 | NHKマイルC | 芝1,600メートル | シュネルマイスター | 先行 |
5月16日 | ヴィクトリアマイル | 芝1,600メートル | グランアレグリア | 万能 |
5月23日 | オークス | 芝2,400メートル | ユーバーレーベン | 差し |
5月30日 | 日本ダービー | 芝2,400メートル | シャフリヤール | 先行・差し |
6月6日 | 安田記念 | 芝1,600メートル | ダノンキングリー | 先行・差し |
6月27日 | 宝塚記念 | 芝2,200メートル | クロノジェネシス | 先行・差し |
10月3日 | スプリンターズS | 芝1,200メートル | ピクシーナイト | 万能 |
10月17日 | 秋華賞 | 芝2,000メートル | アカイトリノムスメ | 先行・差し |
2021年のG1レースにおける逃げ馬の勝率を検証した結果、以下の結果となりました。
検証レース数 | 14レース |
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逃げ馬が勝った回数 | 0回 |
G1レースにおける逃げ馬の勝率 | 約0% |
3:【疑問】現代の競馬は追い込み馬が少ない…?
前章の検証で、2021年のG1レースにおける逃げ馬の勝率はまさかの0%でした。
追い込み馬が好きな方にとっては非常に悲しい結果ですね…。
では、追い込み馬は勝てないのかというと、決してそうではありません。
追い込みという戦略が悪いというよりも、追い込み馬の数が少なくなってきていることがこのような検証結果になった原因と考えるべきです。
脚質が追い込みかどうかはあくまでレース終盤までの位置取りで決まるため、最初から最後まで最後方のままレースを終えても、追い込みとして記録されてしまいます。
しかし、このような場合は最後の直線で追い込んだわけではないため、追い込み馬が負けたというよりも、追い込みをとる競走馬がいなかったと捉えるべきだと考えられます。
デュランダルやブエナビスタ、ブロードアピールといった、いかにも追い込み馬といった名馬は現役ではあまり見られませんが、今後生まれてくる可能性は十分あります。
今回の検証ではこのような結果になってしまいましたが、今後の追い込み馬の活躍に期待しましょう!
4:【予想のヒント】追い込み馬にとって有利になるレースはコレだ
最後に、追い込み馬にとって有利になるレースの見分け方を紹介します。
最もわかりやすいのが、競馬場の最後の直線が長いかどうかです。
最後の直線で勝負をかけるという追い込み馬の特性上、最後の直線が長い方が有利になります。
他にも、終盤に逃げ馬や先行馬のペースが落ちるかどうかもポイントです。
こちらは競馬場の距離と比べると判断し辛いといえます。
逃げ馬や先行馬が最後の直線に入った段階で余力を残していると、いくら追い込み馬のスピードや瞬発力が優れていても、追い抜くのは難しくなります。
序盤から逃げ馬同士で先頭争いが起きそうなレースのように、終盤までに逃げ馬や先行馬がスタミナを消耗しそうなレースは追い込み馬が有利です。
まとめ
現役の有力な追い込み馬3選は以下のとおりです。
- モズベッロ
- ディープモンスター
- サトノレイナス
2021年のGⅠ14レースを検証した結果、追い込み馬が1着になったレースは1つもありませんでした。
昨今では、追い込み馬の活躍が減少している傾向にあります。
これは、追い込みという戦略が悪いわけではなく、追い込み馬自体が少なかったり、他の脚質の競走馬が優秀であったりするためだと考えられます。
追い込み馬の迫力は凄まじいので、今後さらなる活躍を期待したいところです。