騎手になるには3つの関門を乗り越えるべし！その道は険しい…

騎手になるには、いくつかの関門を突破しなければなりません。

「騎手ってどうやったらなれるの？」
「騎手になるにはどんな進路選択をするの？」

このような疑問は当記事で解決できるはずです！
この記事では、騎手になるにはどのような条件をクリアすればよいのか、初心者でもわかるよう1から紹介していきます。

1：騎手になる手段は競馬学校を卒業するのが一般的

騎手になるには競馬学校を卒業するという道が一般的です。

競馬学校には誰でも入れるわけではなく、30人に1人程度しか受からない非常に狭き門です。
中央競馬に限らず、地方競馬の騎手になる手段も競馬学校の卒業となります。

1-1：騎手になるには騎手免許が必要

騎手になるには騎手免許が必要で、騎手免許を取得するには競馬学校の卒業が一般的なルートです。
騎手免許が必要という点は中央競馬も地方競馬も同様です。

競馬学校を卒業せずに騎手免許を取得するには、外国で騎手見習いとして経験を積むか、日本の厩舎で勤務をする必要があり、受験を認められれば競馬学校の卒業生と同じように試験を受けられます。

ただ、競馬学校を経由せずに騎手免許取得の試験を受けるのはレアなケースです。
ほとんどの受験生が競馬学校を卒業して試験を受けています。

1-2：競馬学校で学ぶ年数は中央競馬と地方競馬で異なる

中央競馬と地方競馬では、競馬学校で学ぶ期間に違いがあります。
中央競馬は3年間、地方競馬では2年間学び、その後試験を受けることになります。
そのため、デビューまでの期間は地方競馬の騎手の方が短いです。

また、在学期間が短い分、学費も安くなります。
騎手になる過程において最も大きな違いは、この在学期間といえます。

2：【第一関門】競馬学校の受験に必要な3つの条件

騎手になるまでの第一関門は、競馬学校の受験に必要な3つの条件を満たすことです。
「えっ、最初の関門は入学試験じゃないの？」
と思われるかもしれませんね。

競馬学校では、どれだけ学力や運動能力が優れていても、これから紹介する3つの条件を満たしていないと、スタートラインに立つこともできません。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

条件①：体重制限をクリアする

競馬学校への入学条件の1つに、体重があります。
令和4年4月に入学する場合、以下の条件となります。

年齢区分	体重
平成16年3月31日以前に出生した者	48kg以下
平成16年4月1日から平成17年3月31日の間に出生した者	47kg以下
平成17年4月1日から平成18年3月31日の間に出生した者	46kg以下
平成18年4月1日以降に出生した者	45kg以下

年齢によって差がありますが、いずれにせよかなり厳しい条件です。
騎手になってからも50kg前後を保つ必要があり、競馬学校に入学してから身長が伸びる可能性も十分あるため、ぎりぎりではなく、余裕を持って入学することが望ましいです。

条件②：20歳未満かつ中学卒業以上の学歴を持つ

年齢や学歴の条件として、20歳未満かつ中学卒業以上の学歴を持つ者と定められています。
一般的に中学卒業時点での年齢は15歳であるため、年齢は15歳以上20歳未満となります。

多くの受験生は15歳で受験しますが、条件を満たしていれば誰でも受験可能です。
1度不合格になっても条件を満たしている限りは何度でも受験できます。

条件③：一定以上の視力を持つ

視力も条件があり、両眼で0.8以上、かつ左右ともに0.5以上となっています。
以前はコンタクトレンズによる矯正は不可でしたが、令和4年4月の募集ではソフトコンタクトレンズのみ矯正が認められています。
視力の条件は満たしやすくなったといえます。

3：【第二関門】合格率約3％！競馬学校の入学試験

第二関門は、合格率はたったの3%程度の競馬学校の入学試験です。
最難関いえる関門で、騎手になるにはこの非常に厳しい試験を突破しなければなりません。

3-1：第1次試験の内容

第1次試験の内容は、身長や体重の検査や運動機能検査、学科試験に加えて、面接といったものになっています。
前章で紹介した体重制限はここでチェックされます。

また、第1次試験の試験会場は以下の4会場です。

2020年に行われた第1次試験では、受験者108名のうち、合格したのは25名でした。
おおよそ4分の3が騎手への道を絶たれてしまう、狭き門だといえます。

3-2：第2次試験の内容

第2次試験の内容は、身長や体重などの身体検査や運動機能検査に加え、騎乗適正検査や厩舎作業審査、面接といったものです。
体重制限のチェックは第2次試験でも行われます。

第2次試験では実際に乗馬をすることになりますが、あくまで乗馬経験は不要な試験であり、未経験者は未経験者としての基準で適性を判断されます。

2次試験の会場は競馬学校（千葉県）のみであり、合宿形式で試験が行われます。
2020年に行われた第2次試験では、受験者25名のうち、合格したのは8名でした。

3-3：30人に1人程度しか合格しない狭き門…

2020年に行われた入学試験では、受験者108名中8名が合格で、倍率は13.5と例年と比べて比較的低めの年でしたが、それでも狭き門であることに変わりありません。
30人に1人程度しか合格しないと言われいる、突破するのは非常に困難な関門です。

4：【最終関門】騎手免許試験を突破する

競馬学校に無事合格し、3年間しっかり学んだら、騎手免許試験を受験します。
騎手免許試験を突破してはじめて騎手としてデビューできます。

4-1：騎手免許試験の内容

騎手免許試験の内容は、競馬に関わる学力試験や騎乗の技術試験、身体検査と人物考査です。
学力試験は口頭による検査であるという特徴を持ち、ここでも体重制限をクリアしなければなりません。

内容としては競馬学校への入学試験と共通する部分も多く、入学試験同様狭き門に見えるかもしれませんね。

4-2：合格率はまさかのほぼ100％

一見難しそうな騎手免許試験ですが、合格率はまさかのほぼ100％です！
非常に難関な競馬学校の入学試験を突破し、3年間しっかり学べば、騎手への門は開かれたといっても過言ではありませんね！

もちろん、だからといって油断してはいけません。
人物考査もあるため、しっかりと気を引き締める必要があります。

5：騎手になった後が本当の戦い

騎手免許試験を突破すれば、晴れて騎手としてデビューとなります。
騎手を目指して努力し続けてきた方にとっては、夢がかなった瞬間といえるのではないでしょうか。

しかし、騎手の世界は競争が激しく、騎手になった後が本当の戦いです。
実績が残せないと騎乗の機会を満足にもらえず、若くして引退する騎手も少なくありません。

反対に実績を残せると、年収1億円を超えたり、引退後も競馬関係の仕事の選択肢を多くもらえたりします。
騎手になってからも努力を続けることが重要です。

まとめ

騎手になるには騎手免許が必要で、競馬学校を卒業して騎手免許試験を受ける流れが一般的です。
競馬学校は30人に1人程度しか合格しない超難関試験です。
学力や運動能力に加え、体重制限があることも特徴的で、特に身長の高い男子にとっては非常に厳しい減量を課せられることになります。

騎手になった後も競争に勝ち抜く必要があります。
騎手になるには、非常に困難な関門を突破しなければならず、騎手になった後も気を抜くことは許されません。