騎手といっても大きく分けて中央競馬の騎手と地方競馬の騎手の2つがあります。
騎手というと中央競馬の騎手を指すことが多いですが、地方競馬の騎手とどのような差があるのでしょうか。
この記事では、地方競馬の騎手に焦点を当て、中央競馬の騎手との違いなどについて詳しく解説します。
騎手になるまでの過程や待遇における違い、地方競馬の騎手ならではのメリットなども紹介します。
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1:地方競馬の騎手になるには中央競馬と同様に険しい道
まず、騎手になるための過程について紹介します。
結論からいうと、地方競馬の騎手になる過程は非常に困難なもので、容易になれるわけではありません。
比較すると中央競馬の騎手よりはハードルが低いといえますが、あくまで比較した場合であって、地方競馬の騎手も非常に狭き門です。
以下、地方競馬の騎手と中央競馬の騎手になる過程の違いについて紹介します。
1-1:競馬学校で学ぶ年数が違う
地方競馬の競馬学校は入学後2年間学ぶ期間が設けられていますが、中央競馬は3年と、1年の差があります。
騎手になるための過程において、最も大きな違いがこの競馬学校における在学期間です。
学ぶ内容は大差なく、どちらも騎手になるにあたって必要な知識・技術を学ぶことになります。
1-2:試験内容はほぼ同じ
入学難易度で比べると、やや中央競馬の競馬学校の方が倍率が高い傾向にありますが、試験内容に大きな差があるわけではありません。
どちらも身体検査や学力検査、身体能力検査や面接といった内容です。
乗馬経験が問われることはないため、その点は安心ですね!
非常に細かいところですが、実は視力の条件において違いがあります。
地方競馬の競馬学校では、視力の条件は「左右いずれか一眼が0.5以下でない者」となっていますが、中央競馬では「両眼で0.8以上、かつ、左右ともに0.5以上の者」です。
中央競馬の方がやや厳しい条件ですね。
また、地方競馬ではソフトコンタクトレンズによる矯正が認められていましたが、中央競馬では裸眼という条件でした。
しかし、令和4年4月に入学する騎手候補生の募集より、中央競馬でもソフトコンタクトレンズによる矯正が認められるようになったため、入学条件の差が減ったといえます。
矯正可になったのは大きな変化ですね!
2:地方競馬の騎手と中央競馬の騎手は年収が全然違う!
年収においては、地方競馬の騎手と中央競馬の騎手の間に雲泥の差があります。
中央競馬の騎手の多くは年収1,000万円を超えると言われており、1億円を超える騎手も毎年複数いますが、地方競馬の騎手は多くて年収500万円程度と言われています。
地方競馬の騎手は、騎手としての収入だけでは生活できない騎手までいます。
苦労して騎手になったのに辛い話ですね…
では、なぜそこまで収入に差が生じてしまうのでしょうか。
2-1:賞金や手当の金額に圧倒的な差がある
収入に差が生じる原因は、賞金額に圧倒的な差があることです。
中央競馬では、レースで1着になった騎手がもらえる賞金額は多くて数千万円、少なくても数十万円に達しますが、地方競馬の騎手は1万円に満たないこともあります。
また、レースに出場した際にもらえる騎乗手当や騎手奨励手当も、中央競馬と地方競馬で大きな差があります。
中央競馬では、平地の重賞以外のレースでも1レースに出場するだけで26,000円の騎乗手当と、15,500円の騎手奨励手当がもらえます。
仮に1日で5レースに出場すれば、収入はその時点20万円以上です。
上位に入賞すれば、これに賞金が上乗せされます。
重賞レースや障害レースであれば、騎乗手当の金額も増加します。
一方、地方競馬では、騎乗手当が数千円であることが一般的です。
中央競馬の騎手は、レースへの出場機会さえもらえれば、騎乗手当だけで十分な収入になりますが、地方競馬の騎手は騎乗手当のみでは生活は非常に苦しいといえます。
2-2:賞金の配分は同じ
賞金の配分が異なるのかというと、そうではありません。
賞金の配分は中央競馬も地方競馬も、以下のとおりとなっています。
馬主 | 80% |
---|---|
調教師 | 10% |
騎手 | 5% |
厩務員 | 5% |
地方競馬でも、賞金額のうち5%はしっかりと騎手のものになります。
そもそもの賞金額に差が大きいため、収入もそれに応じて差が開いてしまいます。
3:地方競馬の騎手になるメリットってあるの…?
「騎手になるハードルはどちらも高い…」
「収入は雲泥の差…」
これらを考慮すると、地方競馬の騎手になるなんて割に合わないと思われるかもしれませんね…
そこで、本章では地方競馬の騎手ならではのメリットを紹介します。
3-1:地元で働けるというメリットがある
最大のメリットは、出身地に地方競馬場がある場合、地元で働けるということです。
一般のサラリーマンでも同様ですが、地元愛が強い方にとっては、地元で働けるというのは非常に大きなメリットですよね!
3-2:「比較的」なりやすいのもメリット
あくまで「比較的」ですが、騎手になるためのハードルが低いのもメリットだといえます。
「中央競馬の競馬学校にはあと少しで届かないけど、地方競馬の競馬学校なら合格できる!」といった方にとっては騎手という夢を叶える絶好の場ではないでしょうか。
4:【2021年度版】現役の地方競馬の有力な騎手3選
最後に、現役の地方競馬の有力な騎手を3名紹介します。
特に3人目に紹介する騎手は、中央競馬の騎手も成し遂げていない記録を作った騎手です!
4-1:【勝鞍・獲得賞金共にトップ】森泰斗騎手
ハイセイコー記念
森泰斗騎手
ノブレスノアで逃げ切り勝ち
おめでとうございます?
最高のガッツポーズ?
ありがとうございます??️? pic.twitter.com/I3EsS1z2IV— 慶次 (@Keiji7tenpai) November 17, 2021
1人目は、勝鞍・獲得賞金共にトップの森泰斗騎手です。
1998年に騎手免許を取得し、通算勝利数は3,000勝を超える、実績も抜群の騎手です。
2019年、2020年と2年連続でリーディングジョッキーに輝いており、このままいけば3年連続のリーディング獲得となります。
4-2:【勝率トップ】宮川実騎手
アイスクリン特別を勝ったマイネルイノメと宮川実騎手。
もとは鹿戸厩舎、青木厩舎にいたようです(調べた)。 pic.twitter.com/UXohRZSxT3— さとえ (@satoe1981) April 29, 2019
2人目は、勝率において森泰斗騎手を上回りトップを維持している宮川実騎手です。
デビューは森泰斗騎手とほぼ同時期の1999年であり、あと少しで通算勝利数が2,000勝に到達します。
勝利数ランキングでは10位以内に入ることはあまりありませんが、2019年も勝率20%以上と、高い勝率を誇っています。
4-3:【出産後騎手として復帰】宮下瞳騎手
【前人未到の1000勝達成】
名古屋競馬所属の宮下瞳騎手(みやした ひとみ・44歳)は、本日の名古屋競馬第2競走をリアルスピードで制し、地方競馬通算1000勝目を挙げました。国内の女性ジョッキーとして史上初の1000勝達成となります。おめでとうございます! pic.twitter.com/LMs1h1KMNx— 地方競馬全国協会(NAR)公式 (@nar_keiba) November 18, 2021
3人目は、出産後騎手として復帰したことで知られている宮下瞳騎手です。
2021年11月18日に女性騎手として初めての通算1,000勝を記録し、競馬における歴史を塗り替えた騎手の1人と言っても過言ではありません。
中央競馬・地方競馬問わず多くの女性騎手の憧れの存在です。
宮下瞳騎手の活躍によって、今後女性騎手が増えていくかもしれませんね!
まとめ
地方競馬の騎手になるまでの過程は、中央競馬の騎手と比べれば若干ハードルが低いといえますが、非常に狭き門であることに変わりはありません。
しかし、収入においては圧倒的な差があります。
その大きな原因は、賞金額の差と騎乗手当の差です。
地方競馬の騎手になるメリットは、何より地元で働けるということでしょう。
現役の地方競馬の騎手にも、女性騎手で初めて通算1,000勝を達成した宮下瞳騎手など、中央競馬の騎手をは違った記録を持つ騎手もいるため、詳しくなることで競馬の楽しみが広がるはずです。