2022年のジャパンダートダービーに登録したJRA所属馬の顔ぶれを見ていると、絶対的な存在がいない点に気付かされます。
さらに、前走から今回への変わり身が結果を大きく左右することが予測されます。
そこで、2022年のジャパンダートダービーに登録したJRA所属馬を中心に、調教過程をチェックしてみたいと思います。
調教という視点で見ると、ジャパンダートダービーは意外な馬の浮上がありそうです。
1:ジャパンダートダービー2022|1週間前追い切り・調教ランキング
それでは、2022年のジャパンダートダービーに登録しているJRA所属馬の調教過程をチェックしましょう。
7月11日(月)時点での情報となります。
1位:【評価A】コマンドライン
2022/7/3(日) | 美浦南W | 助手 | 良 | 86.0 | 68.4 | 51.9 | 37.0 | 11.7 | 強め |
2022/7/6(水) | 美浦坂 | 助手 | 稍 | -- | 55.9 | 41.2 | 27.4 | 13.8 | 馬なり |
2022/7/3(日) | 美浦南W | 助手 | 良 | 83.4 | 66.3 | 51.5 | 37.4 | 11.6 | 馬なり |
初ダートということで評価が分かれるコマンドラインですが、調教内容からはナンバーワンと言っていいでしょう。
毎日杯(8着)後は日本ダービー(東京優駿)に向けて調整され、当該週まで6本の調教時計が出ていました。
このうち、併せ馬は4本でしたので、かなりハードな調教だったと考えていいでしょう。
日本ダービー除外後、放牧を挟み、6月26日(日)から再び時計を出しています。
5本の調教時計が出ていますが、このうち3本は併せ馬です。
ほぼ100%の仕上げで大井に乗り込んでくると思われます。
2位:【評価A】ノットゥルノ
2022/7/8(金) | 栗東坂 | 松若 | 良 | -- | 52.8 | 38.1 | 24.4 | 12.1 | 馬なり |
内レッドレジェーラ(仕掛け)と併せ、0秒1先着 | |||||||||
2022/7/3(日) | 栗東坂 | 助手 | 良 | -- | 58.1 | 42.3 | 27.0 | 13.4 | 馬なり |
3月の伏竜ステークス(2着)後、4本の時計を出しましたが、レース出走がないまま、一度放牧に出ています。
その後、6月18日(土)から改めて時計を出し始め、7月8日(金)で6本目となります。
6月23日(木)と30日(木)、7月8日(金)には併せ馬を消化していますが、23日(木)に併せた相手はプロキオンステークスに出走予定のサンライズノヴァでした。
このサンライズノヴァに先着している点に要注目です。
3位:【評価A】ハピ
2022/7/9(土) | 栗東坂 | 助手 | 良 | -- | 56.4 | 40.4 | 26.0 | 12.8 | 馬なり |
2022/7/6(水) | 栗東CW | 横山典 | 重 | 81.5 | 66.2 | 51.9 | 37.1 | 11.4 | 強め |
内ブリッツファング(一杯)と併せ、0秒1先着 | |||||||||
2022/6/30(木) | 栗東CW | 助手 | 良 | 81.1 | 65.2 | 50.8 | 36.4 | 11.4 | 馬なり |
内ブリッツファング(馬なり)と併入 |
鳳雛ステークスを勝って無傷の3戦3勝という不気味な存在のハピですが、鳳雛ステークス後は7本の調教時計を出しています。
この内、併せ馬は3本ですので、前走後も状態面での不安はないと考えていいでしょう。
4位:【評価B】ブリッツファング
2022/7/9(土) | 栗東CW | 助手 | 良 | 136.6 | 79.7 | 60.3 | 43.6 | 14.0 | 馬なり |
2022/7/6(水) | 栗東CW | 池添 | 重 | 81.4 | 66.0 | 51.7 | 37.0 | 11.5 | 一杯 |
外ハピ(強め)と併せ、0秒1遅れ | |||||||||
2022/6/30(木) | 栗東CW | 助手 | 良 | 80.9 | 65.1 | 50.7 | 36.4 | 11.4 | 馬なり |
外ハピ(馬なり)と併入 |
ハピと同じ栗東・大久保龍志厩舎の管理馬ということもあり、併せ馬もハピが相手でした。
前走で1勝クラスを勝ち上がった後、4月に3本の時計を出しましたが、レースを使われることなく、一度は放牧に出されました。
その後、6月16日(木)から再び時計を出し始め、6本の調教時計が記録されています。
4月の時点も含め、ハピは3本の併せ馬を消化していますが、2本はハピに遅れを取っています。
時計自体は問題ないレベルですが、ハピとの実力比較をする材料になるかもしれません。
5位:【評価B】アイスジャイアント
2022/7/10(日) | 美浦南W | 助手 | 良 | 85.0 | 66.6 | 52.1 | 37.9 | 12.3 | 馬なり |
外ルテリブル(馬なり)と併せ、0秒2先着 | |||||||||
2022/7/7(木) | 美浦南W | 杉原 | 稍 | 85.2 | 68.6 | 53.0 | 37.9 | 11.6 | 直線強め |
外ホウオウイクセル(馬なり)と併せ、0秒3先着 | |||||||||
2022/7/3(日) | 美浦南W | 助手 | 良 | 87.8 | 69.5 | 54.8 | 40.0 | 13.4 | 馬なり |
外ポートロイヤル馬なりと併入 |
兵庫チャンピオンシップで12着と大敗した後ですが、その後はま5本の調教時計が出ています。
このうち、3本が併せ馬です。
急ピッチで仕上げられています。
6位:【評価C】ペイシャエス
2022/7/8(金) | 美浦坂 | 菅原明 | 良 | -- | 55.4 | 39.8 | 25.5 | 12.6 | 馬なり |
2022/7/1(金) | 美浦坂 | 菅原明 | 良 | -- | 55.2 | 40.2 | 26.1 | 12.7 | 馬なり |
ユニコーンステークス優勝後ですが、まだ時計が2本しか出ていません。
レース間隔がないという理由はありますが、大一番に向かう準備としては物足りないと言わざるを得ません。
調教からは高く評価できない1頭です。
7位:【評価C】セキフウ
2022/7/9(土) | 栗東坂 | 助手 | 良 | -- | 53.9 | 38.5 | 24.9 | 12.2 | 一杯 |
外スタローン(一杯)と併せ、0秒2先着 | |||||||||
2022/7/3(日) | 栗東坂 | 助手 | 良 | -- | 55.1 | 39.8 | 25.6 | 12.6 | 強め |
ユニコーンステークス2着のセキフウもまだ調教時計が1本しか出ていません。
1~2着馬がその後に軽めの調教のみということは、2022年のユニコーンステークスは体力消耗の激しいレースだったことを意味している可能性があります。
地方所属馬の調教について
地方所属馬は調教についての情報が乏しく、レース直近に発売される競馬専門紙の調教欄で最終追い切りを確認するしかありません。
調教欄を見る際、しっかりと時計を出しているかに注意すると共に、レースで騎乗する騎手が追い切りでも騎乗しているか、確認が必要です。
所属が異なる場合でも、騎乗予定騎手が追い切り日当日に駆け付けることは良くあります。
大きなレースの場合、地方競馬の調教を見る際は騎手の動向にも注目したいものです。
地元・南関東勢ですが、2022年は羽田盃、東京ダービーがいずれも大波乱でした。
そんな中、東京ダービー馬カイル、同2着クライオジェニック、同3着リコーヴィクターという、東京ダービーの上位3頭が揃って登録してきました。
この3頭の東京ダービーにおける走りが本物と言えるのか、その後の状態がどうなのか、という2点については要注目と言えるでしょう。
3歳馬はこれからまだまだ成長します。
2021年の勝ち馬キャッスルトップは、羽田盃にも、東京ダービーにも出走していない馬でした。
成長力を見極める方法は調教しかありません。
JRAと違い、調教に関する情報が少ないだけに、見極めは非常に難しいですが、宝探しをするような感覚で、出走馬の調教や厩舎のコメントをチェックして見ることをオススメします。
登録されている地方所属馬の中に、第2、第3のキャッスルトップが潜んでいる可能性は十分にあると考えていいでしょう。
人気薄である分、馬券戦術としても面白い見方です。
2:ジャパンダートダービー(2022)追い切り・調教好調馬はこの3頭
上記の内容から、2022年ジャパンダートダービーで注目すべき馬はコマンドライン、ノットゥルノ、ハピの3頭です。
この3頭の中で、ダート適性が未知数であることから評価が分かれるコマンドラインですが、調教量と内容は抜群です。
初ダートが懸念されて、人気が落ちるのであれば、コマンドラインは逆に馬券面での魅力が高くなりそうです。
[banner file=’ad-banner34′]3:ジャパンダートダービー(2022)の追い切り・調教で見るべき点とは
どのようなレースでも調教を見る上でのポイントは、「調教時計が何本出ているか」という一点に尽きます。
地方所属馬の場合、キャンターのみで時計を全く出さずにレースに挑む陣営も珍しくないので、調教時計の有無と本数は非常に重要です。
内容については、併せ馬の有無についてチェックしておきましょう。
ジャパンダートダービー(2022)の調教・追い切りまとめ
2022年のジャパンダートダービーに出走するJRA所属馬の中には、予定したレースを使えず、前走後の予定を変更した形跡がある馬も目立ちます。
立て直しが成功しているか、否か、も大きなポイントと考えていいでしょう。
同時に、この調整過程の変更に、地方所属馬が付け入る隙があると言えそうです。