マイルチャンピオンシップの前哨戦といえば、スワンステークスを真っ先に思い出す人も多いのではないでしょうか。
過去には数多くの名勝負が繰り広げられてきた伝統のレースが2022年も近づいてきました。
今回は、過去10年のスワンステークスにおけるデータを分析し、馬券検討に役立ちそうなものをご紹介します。
1スワンステークスのデータ分析の3つのポイント
それでは近10年のデータを元に、2022年スワンステークスの馬券検討に役立ちそうな傾向を探ってみましょう。
ポイント①:距離短縮組を狙え!!
現在、日本には1,200mと1,600mのG1がありますが、1,400m戦のG1レースはありません。
スワンステークスはその1,400mで争われるG2戦です。
そこで、前走との距離比較について考えてみました。
前走と同じ距離の馬 | 2・1・2・31 |
前走から距離延長の馬 | 1・3・2・47 |
前走から距離短縮の馬 | 7・6・6・48 |
近10年で7頭が前走から距離短縮の形で勝利しています。
前走がスプリンターズステークスだった、という馬もいますが、その成績は「0・1・1・20」と、近10年はあまりよくありません。
スワンステークスはマイルチャンピオンシップの前哨戦ですので、距離短縮組の中でも前走がマイル戦だった馬に特に注目すべきでしょう。
ポイント②:高齢馬は不利
続いて、年齢別の成績です。
3歳 | 4・0・1・13 |
4歳 | 2・3・3・19 |
5歳 | 4・4・5・43 |
6歳 | 0・3・1・28 |
7歳以上 | 0・0・0・23 |
近10年の勝ち馬はいずれも3〜5歳となっています。
6歳馬が2・3着に入ったケースはありますが、勝ち馬は出ていません。
そして7歳以上の馬が馬券に絡んだケースは、近10年ではありません。
高齢馬には不利なレースと言えそうです。
ポイント③:牡馬の信頼度が高い
短距離戦は牝馬の活躍が目立ちますが、スワンステークスの場合はどうでしょうか?
牡馬 | 8・9・7・91 |
セン馬 | 0・0・1・4 |
牝馬 | 2・1・2・31 |
牝馬の勝ち馬もいますが、牡馬の方が圧倒的に信頼性が高そうです。
迷ったら、牡馬を選択するのも一つの方法と言えるかもしれません。
2:スワンステークス2022をコースから考える
2022年のスワンステークスは前年2021年と同様に、例年の京都競馬場ではなく、阪神競馬場で行われます。
阪神競馬場の芝1,400m戦は、下級条件のレースも含めて、比較的数多く組まれています。
2022年に行われた阪神競馬場の芝1,400m戦からも傾向を探ってみたいと思います。
10月10日までに行われたレースを対象としています。
2-1:馬も騎手も関西勢が強い
・調教師所属別成績 | |
美浦所属調教師 | 1・1・2・16 |
栗東所属調教師 | 20・20・19・209 |
地方所属騎手 | 0・0・0・1 |
・騎手所属別成績 | |
美浦所属騎手 | 1・4・0・17 |
栗東所属騎手 | 20・17・21・209 |
ホームアンドアウェーの問題はありますが、阪神・芝1,400m戦は関西馬・関西(栗東)所属騎手が圧倒的に強い傾向にあります。
関東馬や関東(美浦)所属騎手にはかなり不利なデータとなっています。
関東馬は軽視すべきコースと言えるかもしれません。
2-2:逃げ・先行馬が有利
次に脚質別成績も見ておきましょう。
逃げ | 4・5・2・10 |
先行 | 13・9・12・53 |
差し | 2・6・4・84 |
追い込み | 2・1・3・78 |
マクリ | 0・0・0・1 |
対象となる21レース中17レースで、逃げ・先行馬が勝利しています。
馬群の後方から追い込む馬は、ある程度以上に前が速くなり、前潰れの展開にならないと浮上するのは難しいかもしれません。
2-3:モーリス産駒に注目
血統面にも着目します。
種牡馬別成績となります。
産駒が勝ち星を挙げた産駒のみを紹介します。
モーリス | 4・2・0・9 |
ロードカナロア | 3・1・0・15 |
ディープインパクト | 2・0・0・11 |
キズナ | 1・2・2・6 |
キタサンブラック | 1・1・0・2 |
ダイワメジャー | 1・0・2・4 |
ワールドエース | 1・0・1・5 |
リオンディーズ | 1・0・1・4 |
ヴィクトワールピサ | 1・0・1・4 |
クロフネ | 1・0・0・4 |
ドレフォン | 1・0・0・7 |
イスラボニータ | 1・0・0・2 |
ビッグアーサー | 1・0・0・3 |
ダノンシャンティ | 1・0・0・2 |
Point of Entry | 1・0・0・0 |
ロードカナロア産駒(3勝)やディープインパクト産駒(2勝)を抑えて、モーリス産駒が4勝でトップというのは少々意外に思われる方も多いのではないでしょうか。
もちろん21戦中4勝ですから、圧倒的に多いとは言えませんが、阪神・芝1,400m戦ではモーリス産駒に要注意です。
3:スワンステークス2022出走予定馬でデータから有利な馬
この記事を書いている10/11時点で、各メディアの報道等により2022年スワンステークスに出走すると見られている馬は次の通りです。
グレナディアガーズ |
マテンロウオリオン |
ロータスランド |
ヴァトレニ |
ホウオウアマゾン |
ルプリュフォール |
ミッキーブリランテ |
サブライムアンセム |
ララクリスティーヌ |
キャプテンドレイク |
ベステンダンク |
ケイデンスコール |
現時点では、この12頭が出走予定馬として名前が挙がっています。
フルゲートは18頭ですので、出走予定馬はさらに増えると思われます。
また入れ替え等もありそうですが、上記の12頭を近10年のデータから分析してみたいと思います。
最も有利なのはマテンロウオリオンだと思われます。
3歳馬で1月にシンザン記念を勝利し、ニュージーランドトロフィーで2着、NHKマイルカップでそれぞれ2着に入っています。
また前走は2,400m戦の日本ダービー(17着)でしたので、距離短縮も間違いなくプラス材料と言えそうです。
日本ダービーでは後方のポジションからのレースでしたが、シンザン記念は3〜4番手から抜け出しての勝利でした。
距離を意識して日本ダービーでは後方からのレースになったものと思われます。
距離短縮となる今回は、いつもの好位からのレース運びになると思われます。
関西馬ですが、デビュー2戦目から日本ダービーまでは美浦所属の横山典弘騎手が手綱を取っていました。
記事作成時点では、今回の鞍上についてはまだ発表されていませんので、手綱を取る騎手だけが気になるところです。
実績からはグレナディアガーズも人気になりそうです。
しかし海外帰りで、その海外での前走は1,200m戦でした。
阪神・芝1,400m戦は、2021年に阪神カップを勝利した舞台ですが、今回に限っては不安材料の方が多そうです。
スワンステークスのデータ分析まとめ
京都競馬場の馬場の内側にある池に、冬になると飛来する白鳥がレース名の由来となっているスワンステークス。
改修工事の関係で、2021年に続き、京都競馬場ではなく、阪神競馬場で行われるレースとなるのは、少々残念ではあります。
しかし、翌月に行われるマイルチャンピオンシップにおける重要な前哨戦であるという点は、2022年も全く同じです。
データにもある通り、若い馬が有利な傾向にあるレースですので、2022年にこのスワンステークスやマイルチャンピオンシップで活躍する馬たちは、2023年に改修工事を終える京都競馬場でのマイルチャンピオンシップでも活躍が期待されます。
その意味で、翌年を見据えた息の長い活躍馬の出現に期待して、レースを見るのも、2022年スワンステークスにおける楽しみのひとつと言えそうです。